榎屋克優原作の人気ロック漫画を、実写映画化した『日々ロック』で、主人公・日々沼(野村周平)とともにブレイクを夢見るドラマー・依田を演じるのが岡本啓佑。ロックバンド「黒猫チェルシー」のメンバーである彼が、初めての演技経験について振り返った。
小学生からビートルズやストーンズをカヴァー
――小学生高学年から、現在も同じバンドメンバーである澤竜次さんらとともに活動されているそうですが、バンドを組んだきっかけを教えてください。
最初はサッカー選手になりたくて、サッカー部に入っていたんですが、小5のときの練習終わりに澤に誘われたんです。その頃、高校生の兄がハードコアバンドを組んでいたこともあって、バンドに対して、ちょっとだけ憧れがあったんですよ。
――最初からドラマー志望だったんですか? また、小学生ということで、どのような楽曲を演奏していたのですか?
じつは僕はベースをやりたかったんですが、当時太っていたこともあって、澤に言いくるめられてドラマーになったんです(笑)。今ではそれで良かったと思います。いちばん最初に演奏したのは、カヴァーでビートルズの「ラブ・ミー・ドゥー」。そこから、ザ・ローリング・ストーンズの曲をやるようになりましたね。
――「黒猫チェルシー」といえば、パンクロックですが、そこからどういう流れになるんでしょうか?
最初にバンドを始めた3人が、今のバンドの楽器隊なんですよ。高校入学にかけては普通のロックバンドだったのが、その後どんどんサイケデリックな方向に行って、ジミ・ヘンドリックスのカヴァーをしたり、ギターソロの長い曲が増えていったんです。その反動もあって、高校2年の春に、とにかく曲が短くて速いパンクをやろうという流れになり、そこでヴォーカルに渡辺(大知)を入れて、今のバンドを始めたんです。それまでは澤がギターを弾きながら歌っていましたね。
2014.11.21(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央