絶対にやりたい役を勝ち取った『桐島、部活やめるってよ』
――2012年には風助役で『桐島、部活やめるってよ』にも出演されましたが、撮影の思い出を教えてください。
風助役は原作を読んだときに、絶対にやりたいと思った役なんです。やられ役だけど、僕自身は弱い奴だと思ってなくて、深いところでの強さだったり、希望を捨ててない部分があったり、どこか共感するものがあったんです。それで、オーディションで監督やプロデューサーさんに「風助をやらせてください」と口走ったみたいなんですよ。テンション上がってたので、何も覚えてないんですけど……。素敵な出会いがたくさんあったし、『桐島~』は本当に心から携われて良かったと思える作品だといえます。
――そんな『桐島~』の企画・プロデューサーによる新作『MONSTERZ モンスターズ』では、オタクの晃役を演じていますが、出演依頼が来たときの心境を教えてください。
風助とは全然違う役ですけれど、『桐島~』と同じプロデューサーさんで、主演が藤原竜也さんと山田さんと聞いただけで、この役をやらないわけにいかないって。ほかの選択肢は自分の中にありませんでしたね。
――晃役を演じるにあたって、特別な役作りはありましたか?
マイノリティ感を持たせなきゃいけない、難しい役だと思いました。脚本には描かれてませんが、山田さんと落合モトキくんとの3人でしか共有できないような孤独が、互いの繋がりの根本にあるような気がしたんです。そのために必要な表現法を考えて、髪型や服装など、カタチから入ってみました。普段はあまりカタチから入るようなことはしないんですが、今回は衣装合わせの段階から、監督や衣装さんといろいろ話したり、持ち寄ったりして、最終的にはみんなで決めた感じです。
2014.05.23(金)
文=くれい響
撮影=深野未季