映画とは、教科書のような存在

――本作後も『スイートプールサイド』や『私の男』など、映画公開作が続きますが、将来どんな俳優を目指していきたいと思いますか?

 言葉を発さなくても、何かを伝えられる俳優になりたいですね。そして、大きな映画だったり、小さい映画だったり、舞台だったり、ドラマだったり、それらに垣根みたいなものがあるとするなら、それを越えられる役者。「こいつが何かやるから、それを見よう」と思わせる役者、自分自身に価値があるような役者になりたいですね。

――かなりの映画好きということですが、太賀さんにとって映画の魅力とは何でしょうか?

 楽しませてもくれるし、悩ませてもくれるし、悲しませてもくれるし、教えてもくれるし、忘れさせてもくれる。そういう教科書みたいな存在だと思いますね。それに作家性が強いので、出る側にとっては覚悟がいるものじゃないかと。観る側としては、かなり作りこまれた世界観なので、圧倒させられることも多いですね。

太賀(たいが)
1993年2月7日生まれ。東京都出身。2007年『バッテリー』に出演し、翌08年に『那須少年記』で初主演を務める。その後も映画・ドラマ・舞台・CMなどで幅広く活躍している。「Bunkamura25周年記念 殺風景」(5月~6月・シアターコクーンほか)、「HISTORY BOYS/ヒストリーボーイズ」」(8月~9月・世田谷パブリックシアターほか)と舞台出演が続く。

『MONSTERZ モンスターズ』
対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、彼は自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまい、彼と彼の友人であるジュン(落合モトキ)や晃(太賀)に襲いかかる。
(C) 2014「MONSTERZ」FILM PARTNERS
http://www.monsterz-movie.jp/
5月30日(金)よりロードショー

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.05.23(金)
文=くれい響
撮影=深野未季