102歳を迎えた作家の佐藤愛子さんは現在、介護施設に入られています。感情の赴くままに生きる愛子さん。アラフィフで恋に落ちた際も、その様子を娘に隠すことはなかったようで……。

 愛子さん最後のインタビューも収録! 娘の杉山響子さん、孫の杉山桃子さんが「佐藤愛子」の家と仕事とお金と恋について語った『ぼけていく私』から、一部を抜粋、ご紹介します。

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「祖母の不倫をウィキで知る」

響子 母の恋バナですか。

桃子 私が祖母の恋愛について知ったのは、高校生の頃だったと思う。ふーん、ばあさんも恋愛するのかって。

響子 するでしょう。情熱的だもん。火山を抱えてる人だから。何で知ったの?

桃子 たぶん、ウィキペディア。大学生になって相手をはっきり知って、「祖母の不倫をウィキで知る」とツイッターでつぶやいた。

響子 私が小学校5年生くらいから、有名なプロ野球監督のAさんとつきあっていました。母より少し年上、お互いアラフィフですね。妻子のある人でしたけど、私は「恋愛」のこともわからない年ですし、ましてや「不倫」なんて全然。よく家に来る人で、来ると母の笑い声が多くなるなっていう感じで。

桃子 夫の田畑麦彦とは?

響子 もちろん離婚していた。父は本当に家にいない人でしたけど、Aさんは来ると一緒に遊んでくれた。「響ちゃん、走ってごらん」「いい走りするね」なんて言ってくれてうれしかった。優しい人でした。

桃子 ということは、その人との関係が母さんの幼少期にも影響を与えたの?

響子 そういうことではないけど、ああいう母と二人きりの暮らしに、きれいな風穴があいた感じがしました。外からの空気が流れてきて、母の火山もその人の方に向いたから、それはこっちとしては喜ばしいことで。母もちょっと華やかになってましたしね。

桃子 えーっ。

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