3種の特選牛を、さまざまな味で愉しむ
先週うかがったときの前菜は「シャラン産鴨と京都スモークダックのカルパッチオ仕立て 根菜サラダ、山葵、ブルーチーズソース」で、のっけからパンチの効いた美味しさでした。なめらかなカルパッチョの鴨も生ハムのような食感の鴨も、どちらも旨味が濃く、素材の良さを感じます。そしてまた、根菜の香りとブルーチーズの個性がよく合います。次に運ばれた「タワーズグリル 渡り蟹のビスク」は、蟹の甲羅をすりつぶして使ったという、贅沢な濃度のあるスープでした。素材自体の味は濃いけれど、余計なものを足さないのでさっぱりしている。そんなお料理たちでした。
さて、お肉にはソースが3種添えられていますが、最初は何もつけずに味わってみることにします。まずはU.S. ブラックアンガス牛を一口。こちらはお肉自体の力強い風味とグリルの香ばしさがはっきりと感じられます。ソースをつけなくても、塩・胡椒だけでも十分です。次にオーストラリア産和牛をいただくと、アンガス牛よりも甘味があり、肉質が柔らかいことに気づきます。そして国産黒毛和牛を食べると、オーストラリア産和牛よりさらに甘味があってまろやか、柔らか。な・る・ほ・ど~。そしてタワーズグリル ステーキソース、ベアルネーズ、クラシックレッドワインの3種のソースをつけると、また違う味わいが楽しめます。いやはや、楽しい、幸せ!
牛肉は、“幸福ホルモン”なんて呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」の生成を助けるといわれていますが、店内の活気あふれる雰囲気や夜景の相乗効果もあってか、顔から微笑みが消えません。幸せいっぱいの笑顔が人の「雰囲気美人度」を増すものだとしたら、「タワーズグリル」は確実に雰囲気美人指数があがるレストラン。というわけで、キレイになれるレストランとして、おすすめします!
タワーズグリル
所在地 東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ザ・リッツ・カールトン東京45階
電話番号 03-6434-8711
営業時間 朝食6:30~10:30(土・日・祝 ~10:00)
ランチ11:30~14:30(平日)
ブランチ11:00~14:00(土・日・祝)
ディナー17:30~22:00
メニュー 肉料理のメインのコースは8,500円~(税金・サービス料13%別) ※マクロビオティックコースあり(3日前までに要予約)
URL http://www.ritz-carlton.jp/restaurant/towers_grill/
小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。
Column
小松めぐみの“キレイになれる”レストラン
食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。
2014.05.08(木)
文・撮影=小松めぐみ