この記事の連載
- 渡邊圭祐インタビュー【前篇】
- 渡邊圭祐インタビュー【後篇】
●地元のモデルを経て役者を志す
――モデルとしては、どのよう活動をされていましたか?
地元のCMに出たり、ファッションショーに出たり、年に1、2回程度ですが、活動していました。その頃は知り合いの伝手で、2軒の古着屋でバイトもしていました。そういう意味では、服好きな自分にとっては楽しかったです。その後、みんなが就活を考える時期に、「モデルとしてパリコレに出よう」という目標を立てたんですが、身長が185センチ以上という目安があって。僕は182センチしかないので諦めたのですが、そのタイミングで、事務所の方の勧めもあって、地元の劇団の方が主催するワークショップに参加することになったんです。
――それを機に、「役者の道に進みたい」と決心されたのですか?
演技を学んだことで「お芝居って面白いかも」と思いつつ、劇団の方に評価していただいたこともあり、モデルと同じように自分を表現する役者の仕事に憧れるようになりました。でも、「役者をやるなら、仙台を離れて東京に行かなきゃいけないな」と思うようになり、ファッションショーの関係者の方などに「役者やりたいんです」と言っていたら、今の事務所(アミューズ)を紹介していただくことになりました。
●初めてのオーディションで、ライダー役を獲得
――そして、事務所を移籍し、「仮面ライダージオウ」のオーディションにおいて、仮面ライダーウォズ役に抜擢されます。役柄についてもよく分からないまま、東京に転居されたそうですね。
これが役者として、初めてのオーディションだったので、かなり運が良かったと思います。本当にあれよあれよという感じで、東京に出てきましたが、もう25歳でしたし、バタつく感じはなかったです。これが18歳ぐらいだったら、大変だったんじゃないかなと思います。仙台での活動で培ったものは大きかったし、いい開き直りみたいなものもありました。
――2018~19年にかけて「ジオウ」の現場で学ばれたことは?
役者としての基礎中の基礎を学んだと思います。「バミリ」のような業界用語もそうですが、ほかの方がレッスンなどで覚えるようなことを一気に叩き込まれました。そういう意味では、やはり「ジオウ」はいちばん転機となった作品です。ほかにも、2021年に栗山民也さんが演出された舞台「彼女を笑う人がいても」に出演させていただいたことは大きかったです。映像と違い、舞台はひとつのシーンや一行の台詞をじっくり紐解いていくので、それまで映像をやってきた自分にとって、とても刺激的だったんです。そこで今までの自分の芝居に対する甘さや台詞の大切さに気付き、さらに火が点いたというか、もう一段階ギアが入った感じがしました。
~次回は、最新出演作『恋のいばら』についても語っていただきます~
渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ)
1993年11月21日生まれ。宮城県出身。2018年「仮面ライダージオウ」で俳優デビュー後、ドラマ「推しの王子様」「やんごとなき一族」、映画『鋼の錬金術師』シリーズ、『ブラックナイトパレード』などの話題作に出演。現在ドラマ「私のシてくれないフェロモン彼氏」に出演中。3月17日には『わたしの幸せな結婚』の公開が控える。
映画『恋のいばら』
1月6日(金)より公開中
図書館に勤める桃(松本穂香)は、自分を振った元恋人・健太朗(渡邊圭祐)のSNSを見て、彼に莉子(玉城ティナ)という新たな恋人がいることを知る。自分と正反対の洗練された莉子に興味を抱いた桃は、ある理由から彼女に直接会いに行く。桃は莉子に健太朗が撮った自分との秘密の写真データを取り返したいと話し、2人は秘密の共犯関係に陥っていく。
https://koinoibara.com/
©️2023「恋のいばら」製作委員会
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2023.01.06(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵