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 裏方を務めた「ミス・ミスターコンテスト」でスカウトされ、モデルデビュー。初めてのオーディションで「ライダー」役に抜擢されたほか、“年下彼氏”がハマリ役となった渡邊圭祐が、最新映画『恋のいばら』で新たに挑んだ役作りも語る【後篇】。

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●「ライダー」役後にキャリアを積んだ「恋つづ」「推しの王子様」

――「ライダー」を卒業して、2020年からは「恋はつづくよどこまでも」「直ちゃんは小学三年生」といった連ドラに出演されます。

 「恋つづ」は役者としての技術云々ではなく、「ライダー」で学んだものとは違うことに驚かされた現場でした。第一線で活躍されている方々と一緒にお芝居できるということは、とても刺激的で楽しく、いい経験をさせてもらいました。「直ちゃん」に関しては、これまででいちばん楽しみながら演じられて、それが映像ににじみ出た作品だと思っています。セリフ以外で遊んだのも初めてでしたし、前原滉さんという同郷・同年代のスゴいお芝居の役者さんと出会えたことも大きいです。

――そして、比嘉愛未さんの相手役を務めたドラマ「推しの王子様」も、渡邊さんのキャリアにおいて重要な作品だといえます。

 作品作りをするうえでの自分が担う比重が、あそこまで大きかったのは初めてだったので、とてもプレッシャーを感じていました。とはいえ、比嘉さんの相手役をやらせていただけることは、とても有り難い機会でしたし、監督やカメラマンなど、製作チームも全体的に若かったこともあり、だんだん肩の力を抜いていって、楽しめるようになりました。

●肩肘張らず、気負いなくできた初主演ドラマ

――映画では、21年に公開された『ブレイブ‐群青戦記‐』で演じられた宿敵役も印象的でした。

 公開順は後になりましたが、僕にとっては「ライダー」が終わって初めての現場で、「恋つづ」と同時期に撮っていました。ここでも作品の一端を担わせてもらい、とても有り難かったのですが、今思うと「ライダー」しか出ていない何者でもない僕を、あの役にキャスティングしてくださった本広(克行)監督には感謝しかないです。あのとき本広監督から「今後、キラキラな役をやらずにヒール役をやり続けてくれ!」と言われたことも忘れられません。あれ以来、ヒール役はやっていませんが(笑)。

――そして、22年放送の「チェイサーゲーム」ではゲームクリエイター役でドラマ初主演を務められました。

 主演だからといって、何かが変わるわけではないなと思いました。特にゲーム開発会社を舞台にした「チェイサーゲーム」という物語上、周りの人々に支えてもらいながら成長していく話でもありましたし、監督やプロデューサーが「直ちゃん〜」のときと一緒の方だったこともあり、変に肩肘張らず、気負いなくできたなと思います。初主演ドラマがこの作品で本当に良かったです。

2023.01.13(金)
文=くれい響
写真=鈴木七絵