お笑いの世界から映画監督へ。自身の恋愛経験をもとにした映画『禍禍女』で監督デビューしたゆりやんレトリィバァさん。芸人としての経験が、映画の演出にも思いがけず活きてきたそう。注目俳優が多く参加した現場での空気の作り方についても伺いました。
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大尊敬している白石和彌監督に「映画的」だと褒められた
――芸人として活動してきた経験は、映画づくりにも活きていると感じますか?
私が出演したNetflixドラマ『極悪女王』を監督してくださった白石和彌監督のことを、ずっと大尊敬していて。今回の『禍禍女』にも出演してもらったんです。
完成した作品を観ていただいたときに、「映画の中で、ツッコまずにお客さんにツッコませているところが、すごく映画的だった」と言ってくださって。それが本当にうれしかったですね。
「登場人物に『何しとんねん』みたいなことを言わせるんじゃなくて、お客さんに『これ、何してるんやろ?』と思わせるのがいい」ともおっしゃってくれて。
私、コントも一人でやるから、どこかでお客さんにツッコんでほしい、と思いながら作っているんです。ネタづくりの経験が、映画づくりにつながっていったのかなと思います。
「いつまでやんねん。長すぎ!」ってツッコまれそうなシーンがあるんですが、そこはめっちゃ気に入っていて。間が怖くないっていうか、もうちょっと見てもらったほうが面白くなるっていうのが感覚でわかるんです。これもお笑いをやっていたからこそかもしれません。
――ピン芸人として活動されてきたゆりやんさんは、ネタ作りを基本的におひとりでされていると思います。一方で映画は、多くのスタッフが関わる共同作業です。ものづくりのプロセスには、やはり大きな違いを感じましたか?
お笑いだったら、自分ひとりで考えて作家さんにアドバイスされても言うこときかない、なんてことが多いんですが、映画は逆にいろんな人の意見をきくほうが面白いし、どんどん積極的に吸収したいと思ってました。
自分だけで作っていたら映画っていうかただの動画になってしまう。きっと作品として成立しなかったと思います。だからこそ、まわりの意見に耳をかたむけながらも、自分の意見はきちんと伝えるように心がけていました。
