鬼にも個性がある? 壱岐の“鬼ヶ島”伝説
壱岐は昔、“鬼ヶ島”と呼ばれていたこともあったとか。中国大陸や朝鮮半島との交易の玄関口だったことから、海を渡ってやってくる、得体の知れない外国人が、“鬼”に思えたのかもしれません。
でも、伝説の中には、鬼退治にやってきて深手を負った百合若を、懸命に世話をした片目の小鬼の存在もあります。
小鬼は百合若に木の実やワカメなど食べ物を運んだり、貝を取ってきては火を吹いて焼いたり、煮たり。まめまめしく、尽くします。その貝殻が集まった浜辺を、小鬼が行ったり来たりを繰り返すうちに、貝殻が砕けて砂浜になったのが筒城浜だという説もあるとか。鬼も一概に悪者ではないようです。
ところで、前回の美食の記事でご紹介しきれなかったけれど、壱岐に来たらぜひ食べたい、買ってかえりたいものを、ここで。
まずは壱岐牛。潮風にさらされてミネラル分が多い牧草を食べて育つため、肉質がやわらか。そして融点が低く、コクとキレがある脂は、「最近は脂がちょっと……」という人も美味しくいただけます。年間900頭しか出荷されず、市場にあまり流通しない、希少な存在の壱岐牛。ぜひ、おためしを。
そして、「和蜂ファーム壱岐」のニホンミツバチの蜂蜜「和蜂蜜」。西洋ミツバチは年に数回採蜜できるのに対し、ニホンミツバチは11~12月の年1、2回。量も5、6分の1ほど。濃厚な味わいの、幻の蜂蜜です。島内のスーパーで発見しました(ふるさと納税でも入手できるそうです)!
壱岐牛に和蜂蜜、壱岐は鬼ヶ島どころか、貴重なお宝の島なのです。
壱岐
●アクセス 長崎空港から壱岐空港へ空路約30分。または福岡の博多港から芦辺港までジェットホイルで約1時間5分、郷ノ浦港まで約1時間10分
●おすすめステイ先 壱岐リトリート 海里村上(港、空港からの送迎あり)
https://www.kairi-iki.com/
【取材協力】
壱岐市観光連盟 https://www.ikikankou.com/
壱岐リトリート海里村上 https://www.kairi-iki.com/
Column
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2022.07.02(土)
文・撮影=古関千恵子