「壱岐でいちばんきれいなビーチは?」とたずねると……
勝本港から北へ行くと、「壱岐イルカパーク&リゾート」があります。ここは天然の入り江を活かしたエリアに4頭のイルカたちが暮らしています。3年前に体制を一新し、餌付けにたよることなく、イルカたちが好奇心から遊びにやってくるスタイルに方向転換。
イルカと触れ合うプログラムには、浮桟橋からのタッチやシーカヤックでの接近、トレーナー体験などが。そして気になるのが、1日1組限定でのキャンプ。宵闇に聞くイルカの鳴き声やヒレで水を叩く音など、イルカとの貴重な時間を共有できそうです。
「壱岐でいちばんきれいなビーチは?」とたずねると、島の人が口を揃えて薦めるのが、辰ノ島。勝本港の北西約2キロ、渡船で約10分に浮かぶ無人島です。
訪れた日はあいにくの天候で、「快水浴場百選」のビーチへの上陸はあきらめましたが、船の上から見上げる、断崖絶壁や奇岩も豪快な見どころ。
中でも高さ50メートルの断崖に垂直の切れ目が入った「蛇ケ谷(じゃがたに)」は、圧するような迫力。その奥には海食洞が陥没してできた「鬼の足跡」と呼ばれる巨大な穴があいています。
実は、もう片方の左の足跡は、壱岐の南西の牧崎公園にあります。周囲約110メートルの大きな岩のくぼみで、一画が門のように海とつながっています。時期によっては、この穴から夕日が沈むのを見られるとか。ちなみに、巨大な鬼“デイ”による足跡だという伝説も残っています。
2022.07.02(土)
文・撮影=古関千恵子