#249 Ibusuki
指宿(鹿児島県)

「指宿」と書いて、「いぶすき」と呼びます。
ポケモンのイーブイが指宿市スポーツ・文化交流大使を務めています。イーブイ好き→いぶすき、というわけです。


薩摩半島の最南端、錦江湾(鹿児島湾)の入り口に位置する指宿。湾をはさんで対岸には大隅半島の山並みを望み、南には東シナ海が広がっています。そして海岸線から続くようにそびえる開聞(かいもん)岳は、別名“薩摩富士”とも呼ばれています。
指宿といえば、世界的にも珍しい“砂むし温泉”! 波打ち際に横たわり、顔だけ出して砂に埋まっている、アレです。

指宿の南北1キロにわたる摺ヶ浜を中心とした海岸線では、指宿火山群の地熱で温められた地下水があちこちで湧出しています。この温泉を利用した砂むし湯治は1703年頃から行われていたそうです。
1843年に編纂された「三国名勝図会」にも効能が紹介され、明治から昭和のはじめにかけては、近郊や近県のみならず、農閑期には全国から湯治客が訪れたとか。

砂むし温泉の効能は口伝えに広まり、それを立証しようと、鹿児島大学医学部が11項目にわたって調査。その結果、心拍出量の増加や深部体温の上昇など、カラダに有効な数値が表れたそう。神経痛・リウマチ・腰痛・五十肩・膝関節痛・冷え性・更年期障害などへの有効性も実証されました。
2022.06.04(土)
文・撮影=古関千恵子