縁結びの“ちりりんロード”も見逃せない!

 指宿では、春~秋の大潮や中潮の干潮時、もうひとつハイライトがあります。

 県道238号線を北上した知林ヶ島。この条件が揃うと、沖合800メートルに浮かぶ島と本土を結ぶ砂州、その名も“ちりりんロード”が浮かびあがります。

 知林ヶ島は周囲約3キロの無人島で、一周歩いて2時間程度。2カ所の展望台や灯台、東(あずま)屋があり、遊歩道も整備されています。昭和50年くらいまで人が暮らし、野菜を作っていたこともあったとか。

 水面下に沈んでも必ず浮かび上がってくるちりりんロード、縁結びのスポットになっています。夏のタイミングの良い日ならば、5時間はつながった状態が続きます。片道の所要時間は約20分。時間を計算しながら、来島しましょう。

 ところで、指宿には冬にも見どころがあります。それは12月下旬から2月にかけての菜の花畑。日本最南端のJRの駅「JR西大山駅」は、線路脇が黄色一色に染まります。その背後には、稜線が美しい薩摩富士の開聞岳。絵になります。

 ちなみに西大山駅と道を挟んだ「かいもん市場久太郎」で、到達証明書(110円税込)ももらえます。ただし、開聞岳をバックにした電車の写真を撮るチャンスは、限られています。指宿枕崎線は日に7~8本しか列車の運行がなく、山川・指宿方面は通勤通学の時間帯の7~9時でも1時間に1本。時刻表を見て、訪れましょうね。

指宿

●アクセス JR鹿児島中央駅からJR指宿駅まで、ツートンカラーの観光特急「指宿のたまて箱」なら約55分。普通・快速列車なら約1時間15分。または鹿児島空港からバスで約1時間40分。

【取材協力】
いぶすき観光ネット https://www.ibusuki.or.jp/
砂むし会館「砂楽」 http://sa-raku.sakura.ne.jp/

古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2022.06.04(土)
文・撮影=古関千恵子