菊池真理子のコミック原作を映画化した『酔うと化け物になる父がつらい』で、松本穂香とW主演を務める渋川清彦。
1998年の俳優デビューから100本を超える映画に出演するなど、その飄々としたキャラクターで日本映画界を支える名バイプレイヤーに、そのキャリアを振り返ってもらった。
●ドラマーからファッションモデルに
――中学生のときから、ドラムをやられていたそうですが、そのきっかけは?
小学生の頃から一緒に遊んでいた、親戚のお兄ちゃんがドラムをやっていたんです。そのお兄ちゃんがビートルズのコピーをしている姿が、あまりにカッコ良かったんで、中3になってバンドを始めました。同じ群馬出身のBOOWYのコピーから始めたんですが、高校になると、5つぐらいのバンドの掛け持ちをしてました。
――高校卒業後、上京され、写真家ナン・ゴールディンに声を掛けられて、「KEE」として、ファッションモデルとしてデビューされます。
そのお兄ちゃんが西葛西にある音楽の専門学校に行ったので、俺もマネして、そこに入学したんです。それで中退後、ナンと出会って、面白そうだったのでモデルの誘いに乗っかってみた感じですね。清彦なので、子どもの頃から、きーちゃんと呼ばれてはいたんですが、海外の人って、愛称で呼ぶことが多いじゃないですか。それで、ナンからも「KEE」と呼ばれていたので、芸名も同じにしたんです。
2020.02.28(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖
ヘアメイク=山崎惠子