●豊田利晃監督の存在

――その後、98年、24歳で豊田利晃監督作『ポルノスター』で映画デビュー。それ以降、最新作『狼煙が呼ぶ』に至るまで、豊田監督作の常連俳優になります。

 ナンと荒木経惟さんがやった写真展で配られた、俺が映ったポストカードを豊田さんが持っていたらしく、たまたま行った『ポルノスター』のオーディションで気付いて、声を掛けてくれたんです。豊田さんは年上で先輩なんですが、兄貴分というより、一緒に遊んでくれる友達みたいな不思議な存在なんですよ。

――もともと、役者という仕事には興味はあったんですか?

 やっていた音楽もロカビリーで、50年代、60年代の古着に興味があったので、マット・ディロンやジェームズ・ディーンが出ている映画が好きだった程度ですね。それで、事務所に入って、いろんな作品のオーディションを受けたりすることで、少しずつ興味を持ち始めたというのが本音です。

2020.02.28(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖
ヘアメイク=山崎惠子