2度目の座長で挑む、近藤勇
――現在公開中の映画『LIAR GAME -再生-』にも出演されていますが、かなり特殊な撮影現場ですよね。
ずっと寒い廃工場で、ずっと同じキャストが顔を合わせていますからね。でも、それでみなさんといろんな会話ができたんですよ。だから、カメラ前に行ったときに、呼吸も合ったし、いろいろなアドリブが出てくるんですよ。全員が全員振り切った演技をするような環境だし、あんなにリハや本番で笑いを堪えていた現場はないですね。
――さて、主演舞台「池田屋・裏 2012」が上演されますが、今回が2度目の座長ですよね?
キャストに同じ事務所の先輩や仲間が多いなかで、このプレッシャーはキツいですね(笑)。どこかでライバル心はあると思うし、みんなにダメ座長だったとは言われたくないから。劇団グワィニャオン内でも2回公演されているほどの人気作で、代表作であるという事情を知れば知るほど、プレッシャーでしたね。でも、(共演の)山崎裕太くんとお酒を飲んで話したときに、「あまり考えずにやりたいようにやれば、みんなついてくるから」と言ってもらったことで安心したんですよ。でも、殺陣の稽古中、裕太くんはちょいちょい「お前座長だろ?」と言ってきますね(笑)。
――新撰組の近藤勇という、誰もが知るキャラクターを演じることについては?
この作品は、池田屋事件を描いていながら、史実の有名な部分をそのまま描くわけではなく、その裏で住民たちがどんな被害に遭っていたのか、も含めて面白おかしく描かれているんですよ。今までいろんな方が近藤勇を演じてきたと思うし、みなさん彼に対していろんな捉え方があると思いますが、最終的に“川村陽介の近藤勇もアリだよね”と言われたらいい、と思いますね。
2012.03.07(水)
text:Hibiki Kurei
photos:Tadashi Hosoda