周りを見渡せるようになった主演ドラマ

――話は過去に戻りますが、03年の「ライオン先生」や05年「ごくせん(第2シリーズ)」など、学園モノの生徒役が続きましたが、すでに20歳を超えていましたよね?

 僕のほかにも何人か20歳を超えている人がいて、その気のあった連中で制服を着て、楽しんでいたことを覚えていますね。全員が全員、ライバルではないけれど、将来的にライバルになるだろうな、という気持ちだったと思います。がむしゃらに、どうしたらカメラに映るんだろう、一言二言しかないセリフをどうしたら上手く言えるんだろう、ということを必死に考えてました。

――個人的に、俳優をやっていこうと意識した作品はありますか?

 デビューの頃から「オーディションで最後の方まで残るけれど、結局受からない」ということが多かったんですが、蜷川幸雄さんが監督した映画『青の炎』で初めてオーディションで大きい役をもらったんです。あと、ドラマ「タイヨウのうた」のオーディションに受かる前には、マネージャーと「辞める、辞めない」という話になっていたんですよ。だから、この2作は大きい存在ですね。そこから、いろんな作品で、いろんな人に助けてもらいながら、ここまで来ることができた感じですね。

――初主演作となったドラマ「新宿スワン」はいかがでしたか。

 確かに思い出深くて、大事な作品です。それまでは、自分のことだけで手一杯だったのが、あの頃から周りを見ることができるようになった。いろんな人とガッツリ話して、スタッフさんが何をやっているかとか、現場の動きを見る余裕ができたんです。つまり、演技の面も含めて、自分の現場での居方が分かった作品だと思います。

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2012.03.07(水)
text:Hibiki Kurei
photos:Tadashi Hosoda