ポール・ラコストは、トゥールーズのオーディオヴィジュアル高等学校で15年来教鞭をとり、映画製作を教授してきた人。

 このラコストは、料理業界でもとても知られた人物なのですが、なぜならそれは、多くの巨匠といえる料理人たちを追うドキュメンタリーを製作してきたから。

 “L'invention de la cuisine”、直訳すると「料理の創意」という名前のシリーズが有名で、9人のシェフをそれぞれフィルム紹介しています。それが、フランスのテレビで放映され、反響を呼んでいました。

 例えば、ピエール・ガニェール、ミッシェル・トロワグロ、パスカル・バルボー(レストエラン“ラストランス”のオーナーシェフ)などの面々です。そして、そのシリーズを作るきっかけとなった初めの作品が、ミッシェル・ブラスを追って作った「ライオール村のミッシェル・ブラス」。ブラスは1999年に3ツ星を獲った名料理人。そんなブラスを、ドキュメンタリーでありながら、非常にアーティスティックに見せることで、評判を呼んだのでした。

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text:Aya Ito