口あたりなめらかな広東粥
消化のよさも抜群

 広東粥は、生米からご飯の粒が見えなくなるまでコトコト数時間。とろとろの食感になるまで弱火でじっくり煮込みます。鶏スープや調味料を加え、お粥自体にしっかり味がついているのが特徴です。

広東粥店の厨房。あらかじめ米だけのお粥を仕込んでおき、お客さんの注文にあわせて、それぞれの具とお粥を一緒に土鍋に入れて数分ほど煮込んで完成。
米1合はあろうかと思われる量の多さだが、胃もたれは一切なく、かならず2時間ほど経つとお腹が空いてくる。消化のいい証拠。インディカ米を使っているので、サラッと食べられる。

 広東粥は、お店によって色んな具が選べます。私が好きなのは、豚だんご、ピータン、ピーナッツ。干し牡蠣とピーナッツ、塩卵と鶏だんご、というように2~3種の具をミックスするのもおいしいです。骨付きのカエル、殻付きの大海老、豚の腸のカリカリ揚げ、魚の刺身などの個性的な具もあります。

チャイナタウン「漢記」の人気メニュー「フレッシュ・ロウフィッシュ・ポリッジ」。生姜、パクチー、ナンプラー、胡麻油で味つけした刺身をお粥に混ぜ、半生の状態で食べる。とても美味!
お腹に余裕があれば、揚げパン(左上)の追加注文をぜひ。現地では「油条(ユイティアオ)」といい、お粥にひたしながら食べる。

 ちなみに、マレーシア人は朝か夜に広東粥を食べます。昼にもいいのですが、30度を超える猛暑のなかでグツグツに煮こまれたお粥を食べるのは、一種のガマン大会に近い過酷さ。昼に食べるときは、屋台ではなく屋内のレストランをおすすめします。

2017.03.24(金)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)