大量に吊られた丸鶏は
4時間足らずで売り切れに
ローカルグルメの宝庫、チャイナタウン。その一角に店を構える「南香(ナムヒョン)」は1938年に創業。チキンライスのルーツといわれる海南島出身の中国人が初代オーナーです。
看板メニューはずばり、「スチームチキン」。ふっくら茹であげた鶏肉に、醤油と胡麻油ベースのあっさりダレをかけて。さらに、卓上に常備してある酸味のきいた唐辛子ダレや、ピリッと刺激のある生姜ダレを交互に鶏肉につけてほおばります。すると、あぁ~マレーシアに来たなぁ~という実感がじんわりこみ上げてくるのです。
また、特製のタレに漬けこみ、自然乾燥で水分を飛ばした後、油で丸ごと揚げた「ローストチキン」もスチームチキンに負けないぐらい人気。パリッとした食感の鶏皮が滋味深く、かむごとに旨みがしみ出してきます。
さらに、この店はチキンライス以外の一品料理も充実。マレーシア人がふだん食べている地元の名物料理がそろっているので、ビールと一緒に楽しむのをおすすめします。ただ、夜は営業していないので、その点をくれぐれもお忘れなく。
この店は、チャイナタウン散策の途中に組みこめるし、クーラーの効いた快適な店内なので、休憩がわりにもぴったり。日本語メニューがあるので、初めてのマレーシア旅の方も安心です。カジュアルな雰囲気のなかで、マレーシア自慢のチキンライスをぜひ!
2017.02.15(水)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子