男性二人がダンスに懸ける情熱や闘志、対抗心、そして苦悩や嫉妬――。揺れ動く感情を描いた人気漫画『10DANCE』が、ついに実写化。ラテンとスタンダード、それぞれのチャンピオン役に挑んだ竹内涼真さんと町田啓太さんは、ハードなトレーニングを重ねるうちに、自然と強い信頼が育まれていったと話します。8年ぶりの再共演で見えてきた手応えや、現場で交わされたエネルギーについて伺いました。
「町田くんとだったら高い崖から飛び降りてもいい」
――竹内さんは、ラテンダンス日本チャンピオンの鈴木信也役を、そして町田さんはスタンダード(ボールルームダンス)日本チャンピオンで世界2位の記録を持つ杉木信也を演じられました。ハードなダンストレーニングもあったなかで、お互いに影響を受けた部分はありましたか?
竹内 「相手を信じきることの大切さ」を町田くんに教えてもらった気がします。やっぱり、信じることが奇跡を生むし、実を結ぶ。ダンスほぼ未経験の僕がチャンピオンを演じるのは本当に大きな挑戦で、ちょっと試してみよう、くらいの気持ちでは絶対に成立しなかったと思います。トレーニングの時間は限られてはいましたが、時間を超越するものを身体で感じられました。今後の人生において、今回のトレーニングや演技は大切な経験になったと思います。
――他人を信じきるって、思っている以上に難しくないですか?
竹内 いや、もうそれは町田くんの作品に対する熱量だったり、町田くん自身の人柄だったりを見ていれば信じられますよ。この人とだったら高い崖からジャンプしてもいいかなって思えました。
町田 すごい、そこまで(笑)。
竹内 それくらい大変な挑戦だったので。大怪我する可能性だってあったかもしれないし。
町田 そうだね、世界配信ってプレッシャーもあったね。自分たちが満足する演技ができていなくても、世界に垂れ流されてしまうわけだから。
竹内 そう。だからクランクイン前は、正直葛藤もありました。誰から腹をくくり始めるのかをさぐってましたもん(笑)。
――はじめに覚悟を決めたのはどなたでしたか?
竹内 監督と町田くんが早かったです。
町田 竹内くんも言ってたように、僕もこの『10DANCE』はリスクもプレッシャーもある作品だと感じていて。俳優みんなが二の足を踏むような作品だと思うんですよ。でもその中で、竹内くんからは「先陣をきってやるぞ!」という気概と「絶対に面白くしてやる」という気持ちがひしひしと伝わってきたんです。そのエネルギーってかっこいいと思うし、実際に引っ張られましたね。竹内くんからはたくさんの刺激をもらいましたが、この点が一番かもしれない。
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- 文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘
ヘア&メイク=佐藤友勝〈Rond〉(竹内さん)、Kohey(町田さん)
スタイリスト=徳永 貴士(竹内さん)、石川英治(町田さん)










