世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第135回は、富士山頂より標高の高い場所にあるチャーミングなホテルでのステイ体験を、大沢さつきさんがリポートします!

チチカカ湖畔のホテルで、びっくり体験

ペルーのイメージは、帽子をかぶりギャザースカートをはいた女性たち。なんともいえずキュートな様子だが、各地でかぶる帽子の種類は違うようだ。

 ペルーといえば何といっても人気なのはマチュピチュだが……。この国、ナスカの地上絵もあればアマゾンもあり、標高3810メートルの高所にある湖のチチカカ湖もあるという観光立国。近ごろでは料理も世界的な人気で、首都リマの「セントラル」という店は、2016年「世界のベストレストラン50」の第4位にランクインしている。

 日本から見れば地球の裏側。とても遠い国に感じるけれど、北米からはもとより、ヨーロッパからも12時間前後で行ける秘境リゾート。5ツ星デラックスの超高級ホテルもずらりと揃っていて、極上ステイが満喫できる国なのだ。

 で、富士山より高いチチカカ湖畔のチャーミングなホテル、「ティティラカ」に泊まるチャンスがあり、快適至極だったのでご報告。ジモティな雰囲気が漂いつつの、でも、もろもろがセンス良く行き届いていて、ルレ・エ・シャトー加盟というホテルだ。

左:湖畔に立つホテル「ティティラカ」は、全18室のこぢんまりとしたホテル。湖に向かって右側の客室からはサンライズが、左側からはサンセットが楽しめる。
右:いきなりのバイタルチェック! 最高値90%の人が3階の部屋に、残りは2階の部屋に案内される。高地だと階段を3段上がるだけでもシンドイので、有無を言わさずの部屋割りだ。

 チチカカ湖の玄関口に当たるのはプーノという街だが、ここには空港がないので、近くのフリアカ空港へ飛ぶ。リマから約1時間半のフライト。飛行機から降りると、明らかに空気が薄く感じられて、標高の高さを実感する。

 空港にはホテルのシャトルが迎えに来てくれていて、ドライバーとガイドの自己紹介が終わると、なんと! 酸素飽和度を測ります。通常だと96%以上が正常値だが、同行者4人、最高で90%。最低が75%という数値に愕然。

 といいながらも、民族音楽をアレンジしたイマドキのいい雰囲気の音楽を聴きながら、快適ドライブ約1時間で、ホテルに到着する。

ホテルはすっきりモダンながら、要所要所にアンティークやクラフトワークが置かれていて、とっても洗練されている。棚にある写真集も見ごたえのあるものばかりだった。

 ホテルは湖に突き出た敷地に立っているので、三方から湖の眺望が楽しめる。そのため建物は大きな窓をいっぱいに取った設計。湖と一体感があるだけでなく、室内も自然光に溢れていて実に快適だ。デッキにはガゼボやリクライニングソファもあり、これまた湖を楽しむのに最高。湖面のさざ波を眺めているだけで、癒される気がする。

ロビーからダイニングへと抜ける場所にも、リクライニングソファが置かれている。手前側にあるブティックが、これまたセンスの良いものが揃っていて買い物心をそそられる。
左:ペルーらしいカラフルさとユルさのある置物が随所に飾られている。
右:デッキに置かれたこのベンチは、演出用。ちょっと古い感じが魅力的だ。

2016.07.12(火)
文・撮影=大沢さつき