歴史と伝統を守りながら16世紀の修道院を改装

 去る6月15日、かつてインカ帝国の首都が置かれた歴史ある街、ペルーのクスコに、新たなラグジュアリーホテル「パラシオ・ナザレナス」がオープンした。

 同ホテルは、16世紀に建てられた修道院を改装し、オールスイートのブティックホテルへと変身させた壮大なプロジェクトの輝かしい成果。最新技術を駆使した酸素供給システム、クスコ初のインフィニティエッジプール、そしてペルーを代表するスターシェフの一人であるビルヒリオ・マルティネズが監修するレストランなど、ここには、さまざまな話題が満載である。

現在、シェフのビルヒリオ・マルティネズがプロデュースするオープン記念の美食体験パッケージ「テイスト・オブ・クスコ」を提供中。3泊より利用可能。1泊1室645USドル~

 4年の歳月を費やしたこのプロジェクトでは、建築家と考古学者が細心の配慮を尽くし、建物の歴史と伝統を守った。修復と新築が同時進行する中で、インカ時代の遺跡の発掘は、歯ブラシなどを用いた手作業の連続だったという。その際に発見されたものの中には、当時の革製サンダルといった貴重な文化財も多数含まれ、それらは現在、ホテル内に展示されている。そして、内装に用いられている壁画や彫刻は本物の歴史的文化財。修復の専門家たちが、練った小麦粉を使いそっと撫でるように表面の汚れを取り除き、オリジナルの色彩を取り戻した。

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