インカ帝国の歴史を体感する
クスコの新ホテル

ホテルの庭で育ったハーブを詰めたバスピロー

 その他、ディテールに込められたこのホテルならではのホスピタリティは特筆もの。例えば、客室の広々としたバスタブに備えられたバスピロー。その中にはホテルのガーデンで育ったハーブが詰められており、お湯に浸すと心落ち着くほのかな香りが広がる。また、同じくガーデンで採れる花とアンデス地方のハーブを用いて作られたオリジナルパフュームはお土産にぴったり。希少なハーブや蘭、ジャスミン、ユーカリなどをミックスしたその香りは心を落ち着かせるとともに、クスコで過ごした日々をいつでも思い出させてくれるだろう。

各スイートルームには、アンデス地方のエキゾティックなカクテルの作り方を案内するレシピとともに、シェイカーなどの道具一式とハーブ他のカクテルの材料が備えられている

 このホテルは55室すべてがスイート。そのうち11室は「Zコレクション」と呼ばれ、インカ時代の壁の窪みや植民地時代のアーチ型の建築様式が、オリジナルのまま残されている。Zコレクションのスイートからは、アウサンガテの山並みやクスコ近隣のサン・ブラスの美しい景色が望める。また、「ナザレナス・スイート」は、修道院時代には女子大修道院長のプライベートな祈りの場として利用されていた。金で飾られたバラをモチーフとした手彫りの天井は、それ自体見事な美術作品である。悠久の歴史を、じっくりと味わいたい。