無形文化遺産を持つタキーレ島へ

ここチチカカ湖はペルーとボリビアにまたがる巨大な湖だが、標高3810メートルで、10万~数百万年前から存在する古代湖だ。とても古くからあるわけで、有名なインカ帝国の祖先もこの辺りの人々といわれている。で、この湖には大小41もの島があり、先住民族が昔ながらの習慣や伝統を大切にしながら暮らしている。
ホテルのモーターボートで、そのうちの2島を巡ることに。まずは織物で無形文化遺産の指定を受けているタキーレ島へ。

この島では男女を問わず手仕事をしているが、女性は織物、男性は編物担当なのだとか。どちらも目のびっしり詰まった細かい作業だが、特に男性が編むニット帽の特別なものは水を入れても漏れないほどきっちり編まれている。
面白い風習は、祭りのときの交際申し込みで、男性が気に入った女性に小石を投げて合図をすると、女性がOKなら、黒いショールの端につけたポンポンを振って返事をするというもの。なんとも恥じらいがあって、いいお話。

右:編み棒を持つ手が板についているタキーレの男性。話しながらもせっせと手は休まず動いていたのが、印象的だ。
もうひとつユニークなのが、男性の帽子のかぶり方だ。ニット帽の先のポンポンを右側に垂らしていたら、気分はハッピー! 左だとブルーというか悲しいことがあるという意味だそう。大切な人が亡くなったりしたら左に垂らして、そっとしておいてという合図にもなる。口には出さないけれど、帽子のポンポンが相手に気持ちを伝えるというわけだ。
ちなみに真後ろに垂らしているときは普通、ノーマルな気分だそう。わかりやすい意思表示で、なんとも面白い。

右:こちらタキーレ島の村長さん。船から上陸すると入島料を彼に渡す。村長さんだからか、帽子がみんなと違うね。
2016.07.12(火)
文・撮影=大沢さつき