シンプルだけど、すべてが揃った客室

ベッドの硬さも申し分なく、リネンもシンプルだが上質のコットン。寒さの厳しい場所なので、敷きパッドが羽毛だったのは嬉しい心遣い。

 ふうふう言いながら階段を上がって客室へ。清潔感のある漆喰の白壁に、地元の人たちが織ったタペストリーが掛けられ、とても明るくコージーな空間。やはりこちらも広く窓が取られていて、居ながらにして眺望が楽しめる。バスタブに浸かりながらの夕焼け観賞をしても、近隣に建物がないので、全然OK。露天風呂に近い心地よさだった。

大きなバスタブも、湯量が豊富なのでわりとすぐに溜まる。お願いすればバスソルトも持ってきてくれるが、高山病対策になるムニャというハーブを混ぜて作られたもの。トルコブルーのきれいな色で、見た目も気持ちいい。

 部屋は広すぎず、狭すぎず。過不足なくすべてが用意されていて、不自由することがない。乾燥しているのでリップクリームも常備され、飲み物やスナック・お菓子類は、オールインクルーシブなので無料(というか室料に含まれている)。高山病対策には、水分をたくさん取ることが大事なので、ミネラルウォーターも大量に準備されている。

 また、暖房が床暖房なので、ノドをやられる心配がないというのも魅力的な配慮だ。今回訪れたのは秋のペルーだが、羽毛の敷きパッドといい、防寒対策は万全で、ゲストにヤな思いはさせませんよという心遣いがとても感じられた。

左:タペストリーやカーペット、クッションは全部、村の一家族に発注して作ってもらっている。色がきれいなのと、目が詰んでいるのにびっくり。
右:枕元の小さな素焼きのキッチンセットは、ホテルからのプレゼント。いまでも多くの家庭がこうした素焼きの鍋や壺を使っているのだそうな。

 ホテルスタッフは多くがジモティ。近くの村から自転車やバイクで通ってきたり、ホテルに隣接する寮に住んでいたりということらしい。だから、なんだかとても朴とつとしていて、こちらの心も和む。で、満面の笑顔でニッとかされると、ハッピーにならざるをえない。

ベッドメイクから何からのお世話係の彼女は、民族衣装がデフォルト。このスタイルで洗濯物とか運んでいます。この配色のヴィヴィッドなこと! これぞペルー。

 欧米系のラグジュアリーホテルだと、もちろんサービスはもっとスマートだが、このユルい感じは味わえない。ユルいといってもいい加減ということではない塩梅の素晴らしさが、このホテルの特徴だろう。

 スタッフに聞いたところ、経営者はペルーの人。いくつかお洒落なホテルを持つ人らしい。そうしたことも大いに影響しているのだろうが、せっかくペルーに来たのだから、こんなホテルにも泊まりたいものだ。

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2016.07.12(火)
文・撮影=大沢さつき