何でもかんでも葦でつくるウロス島

チチカカ湖の島の中でいちばん有名なのが、トトラという葦を重ねてつくった浮島が集まるウロス島。ここでは島だけでなく家も、舟もみんなトトラでつくり、おやつにも外側の皮をむいてトトラを食べるという。40ほどの浮島に1000人とも2000人ともいわれる人が住んでいるが、だいぶ観光地化されて、通いで島にやってきている家族も多いとか。

「ティティラカ」のポリシーとしては、あまりツーリスティックなペルーを紹介したくないということで、案内してくれた浮島の家族は、とてもシャイ。小さな子供たちだけがはしゃいで、駆けずり回っているというところだった。お土産物を無理やり売りつけられたりしないし、家の中をのぞかせてくれたりもした。


ちなみにこのウロス島に住む人たちはもともとウル族の人々で、タキーレ島に住むケチュア族の人たちとは言葉も服装も、生活習慣も違う。インカ時代、インカの人たちがスペイン人たちに追われて水上に住むようになったという説があり、もとは陸上生活者だったという。同じティティカカ湖でもいろいろな民族がいる、というのは興味深いことだった。

2016.07.12(火)
文・撮影=大沢さつき