世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。
第204回は、小樽を訪れたたかせ藍沙さんが、旺盛な食欲を満たします!
雪降るレトロな街並みが
ロマンチック!

新千歳空港からJR快速エアポートで1時間15分。小樽は、明治から昭和にかけて栄えた港町だ。
明治初期に北海道開拓の拠点として開発され、戦前には国内外の商人が行き交い、銀行や商社がこぞって進出した歴史がある。
当時建てられた建築物は、ホテルやカフェなどに生まれ変わり、レトロでロマンチックな街並みを残している。

その街並みに雪が積もればさらにロマンチック!
小樽ならではの白銀の世界を堪能するなら晩秋から早春がオススメだ。雪景色の小樽に行って来た。

えびす屋
電話番号 0134-27-7771
http://ebisuya.com/branch/otaru/
小樽駅に着いたのは11時過ぎ。まずは腹ごしらえと、駅前の「小樽三角市場」へと直行した。
港町・小樽といえば新鮮な魚介類を楽しめる街としても知られているからだ。
ところが、ちょうど中国の旧正月の休暇シーズンだったので、市場は満員電車の中のようなにぎわい。市場内の食堂も数十人待ち(!)という状況。
がっくり肩を落として市場を後にした。時間に限りがあったから。
小樽三角市場
所在地 北海道小樽市稲穂3-10-16
電話番号 0134-23-2446
http://otaru-sankaku.com/

小樽運河クルーズ
電話番号 0134-31-1733
https://otaru.cc/
気を取り直して雪景色を楽しむことに。点在する古い建物は小樽市の「歴史的建造物」に指定され、説明書きが掲げられていた。
日本語のほかに、英語、中国語、韓国語、そしてロシア語に翻訳されている。様々な国からの観光客に人気がある街ということがよくわかる。


駅から運河までは徒歩で10分足らず。運河に並行して遊歩道が設けられている。遊歩道にはところどころハートや雪だるまなどのオブジェが造られていた。


これらは、緑のユニフォームがトレードマークの「小樽おもてなしボランティアの会」の皆さんが制作したもの。
街で彼らを見かけたら気軽に話しかけるといい。親切に観光情報を教えてくださる小樽の達人ばかりだ。
運河から街の中心街へと歩を進めると、やたらとガラス製品の店舗が目につく。
港町・小樽では、かつて漁に使うガラス製のブイが大量に作られていた歴史がある。ガラス産業が発展し、今では様々なガラス製品が製作されている。

ガラス専門店のひとつ、「大正硝子館」の本店に入ってみた。店内にところ狭しと並んだ硝子製品は圧巻! なかには、作家名やタイトルが添えられている製品もある。


「大正硝子館」の名称は、ガラス製品作りが盛んだった大正時代にちなんでいる。
日本のガラスの歴史の中で、優れた作品が多く作られた大正時代のクオリティーを現代に届けたいという思いがあるという。
小樽市内に13店舗と工房をもち、それぞれが器、アクセサリー、かんざし、びーどろ、とんぼ玉などに特化した品揃えとなっていて、とんぼ玉や吹きガラスの製作体験もできる。
大正硝子館 本店
所在地 北海道小樽市色内1-1-8
電話番号 0134-32-5101
http://www.otaru-glass.jp/
お昼は逃したものの、予想以上に街歩きが楽しくなって、ついつい遠回りをして街を巡ってしまったのだった。
2019.03.21(木)
文・撮影=たかせ藍沙