カステッロ・ディ・モンテポのサッソアッローロ 5,830円。

トスカーナ南部、マレンマの風が吹く丘で

 トスカーナという言葉から、多くの人が思い浮かべるのは、キアンティやモンタルチーノのブドウ畑、糸杉が並ぶ丘、そして中世の街並みでしょう。しかし、そのさらに南、ティレニア海へと続く丘陵地帯に、まだ多くの旅人が知らない「もうひとつのトスカーナ」があります。そこがグロッセート県マレンマ地方です。風が自由に駆け抜け、自然が雄大なまま息づく、ワイルドで詩的な土地であり、トスカーナを代表するワイン生産地でもあります。

マレンマ地方。

 トスカーナを代表するブドウ品種といえば「サンジョヴェーゼ。」もともとの名前の由来は「ジュピター(ローマ神話の主神)の血」ですが、産地で呼び名が変わります。

 モンタルチーノでは「ブルネッロ」、キアンティでは「サンジョヴェート」また、モンテプルチアーノでは「プルーニョロ・ジェンティーレ。」

 そして、マレンマでは「モレッリーノ」と呼ばれます。サンジョヴェーゼは長い歴史を持つブドウで、広く普及しているため、多くのバイオタイプやクローンが存在します。なんとスカンサーノの地域だけでも、30以上の異なるバイオタイプがあるそうです。

サンジョヴェーゼ種。

 言わずもがな、サンジョヴェーゼとトスカーナの郷土料理との相性は抜群です。

 サンジョヴェーゼから造られるワインは、早いうちから飲める軽やかでフルーティーなタイプから、骨格のしっかりとした飲みごたえのあるものまでスタイルは様々です。

 「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」には、キアンティ・クラッシコ。ワインのタンニンと酸が肉の脂を引き締め、肉の旨味を際立たせます。

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。

 卵とペコリーノ・チーズで仕上げるマレンマ地方のパン入りスープ「アックアコッタ」には、地元マレンマのモレッリーノ・ディ・スカンサーノを。軽めのモレッリーノが好相性です。

アックアコッタ。

 粗挽き胡椒をたっぷりと使って牛すね肉を煮込むお料理「ペポーゾ」には、ブルネッロの熟成したタンニンとスパイス香、そして深みある果実味がぴったりです。

ペポーゾ。

 オリーブの樹々が連なり、放牧される羊の群れが白い点のように散らばる丘。遠くに海の青が揺らめき、空気にはローズマリーやタイムの香りが混ざります。その静かな風景の中心に佇むのが、カステッロ・ディ・モンテポ。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生みの親として知られるビオンディ・サンティ家が、新しい挑戦の場として選んだ地です。

 ワイナリーはスカンサーノの標高の高いエリアに聳え立つモンテポ城にあります。当主ヤコポ・ビオンディ・サンティによって開拓された畑はモンテポ城を取り囲むように配置されています。ヤコポは、モンタルチーノで築いた伝統を、より開かれた土地で新しい形に表現したかったのです。

ビオンディ・サンティ・ファミリー。

 中世の石造りの城が見守る畑では、サンジョヴェーゼ・グロッソのクローン“BBS11(ブルネッロ・ビオンディ・サンティ11)”が植えられています。昼夜の寒暖差が大きく、海風がブドウの皮を厚くし、香りを凝縮させる。この気候こそ、モンタルチーノとは異なるマレンマ独自の力強さを生む鍵なのです。

 ここで生まれるのが、ビオンディ・サンティ家の革新的な赤ワイン、「サッソアッローロ」です。サッソアッローロは何世紀もの間たくさんの伝説に登場した火山性の巨大な迷子岩の名前です。

モンテポ城。

 「サッソアッローロは、家族と土地をつなぐ“希望の象徴”なんです。伝統を守りながらも、未来へと向かうエネルギーを込めています。」とヤコポの長男であるタンクレディは語ります。

タンクレディ・ビオンディ・サンティ氏。

 サッソアッローロは、厳格なブルネッロとは異なり、よりピュアで開放的。ステンレスタンクでの発酵の後、トロンセのオークバリックで14か月のみ熟成されます。果実の香りが生き生きとし、チェリーやプラム、スミレのようなアロマにスパイスの余韻が重なります。舌触りはしなやかで、タンニンは細く繊細。グラスの中に、マレンマの陽光がそのまま溶け込んでいるかのような味わいです。

モンテポ城内のセラー。

 ワイナリーを訪れる旅は、マレンマの多彩な表情と出会う時間でもあります。朝は、霧の立ちこめる丘を包む静けさの中で、鳥のさえずりで目を覚まし、昼には、石造りの村ピティリアーノを歩き、白い岩肌の家々とワインバー巡り。

ピティリアーノ。

 夕方には、サトゥルニアの温泉で硫黄の香りに包まれながら、長い旅の疲れを癒す。

サトゥルニアの温泉。

 夜はキャンドルの灯るリストランテで供される郷土料理「パッパルデッレ・アル・チンギアーレ(猪のラグー)」に、サッソアッローロを。果実味と野性味が響き合い、まるでトスカーナの魂が一口ごとに語りかけてくるようです。

パッパルデッレ・アル・チンギアーレ。

 マレンマは、派手な観光地ではありませんが、ここには「何もない」ことの贅沢があります。風と光、そしてこの地にしかない土壌。この素晴らしいテロワールが、ビオンディ・サンティ家がサンジョヴェーゼ・グロッソBBS11で造るワインに深みを与えています。城の塔から見渡すと、黄金色の夕陽が畑を包み、地平線の向こうで海と空がひとつになる。その光景こそが、過去と未来、伝統と革新をつなぐビオンディ・サンティ家の哲学そのものなのです。

●日欧商事株式会社

https://www.jetlc.co.jp/

●高品質なイタリア食材とワインのオンラインショップ “ITALIAKARA”

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概要

応募期間 2025年10月31日(金)~2025年11月30日(日)23:59
賞品 カステッロ・ディ・モンテポのサッソアッローロ(5,830円)
当選人数 3名様
応募方法 下のボタンより応募フォームにお進みいただき、必要事項をご記入の上、ご応募ください。
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