世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。
第206回は、芹澤和美さんがインドネシアの素敵すぎる島を訪ねました。
大昔の暮らしが息づく
精霊の島スンバ
![秘境の島のカルチャーと、ラグジュアリー感を同時に体験できるリゾートへ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/8/-/img_08e0d7d3d21620b032478b25c5861992425558.jpg)
1万数千もの島々が東西につながるインドネシア。数えきれないほどのリゾートがあるにもかかわらず、私はなかなか旅をする機会がなかった。
「きっとどこに行ってもツーリストでいっぱいでしょ」と誤解していたし、「近いアジアの島はいつでも行ける」という気持ちもあったからだ。
そんな私が話を聞くなり飛びついたのが、スンバ島。バリ島の約400キロ南東にある、手つかずの自然が残る島だ。
![青空を映す棚田は、バリ島にも似た風景。でも、この島には独特の精霊信仰や文化がある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/-/img_c822e78a6ba45abb6e28dd37ecdaf5b9292990.jpg)
スンバ島は、オランダに支配される20世紀初めまで、島外との接触がほとんどなかった秘境の地。
今でも、「マラプ」と呼ばれる精霊信仰や伝統文化が連綿と息づき、交通手段には馬が使われている。
![「ニヒ・スンバ」のヴィラの数は27。といっても、1つのヴィラに複数のベッドルーム棟を擁するタイプもあり、デザインはさまざま。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/c/-/img_4c73bf20a0ed517c0f4cfee5a9233eba404246.jpg)
近年はサーフスポットとして知られつつも、一般のツーリストにはまだまだ無名なこの島にあるのが、「ニヒ・スンバ」。
「トリーバーチ」のファミリーだったクリス・バーチがつくったリゾートだ。
![宿泊費には3食とアルコールを除くドリンク、マウンテンバイクやスノーケリングなどのアクティビティが含まれ、バトラーサービス付き。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/a/-/img_da77883c99c9bc24600f95892b42a3e6229784.jpg)
このリゾートの魅力は、ただ秘境のラグジュアリーリゾートという点だけではない。
島の生活向上に情熱を傾け、井戸を掘ったり、クリニックを開院したりするなどの活動に加え、スタッフの9割以上が地元島民を採用していることが、大きな特徴だ。
そんな島と共生するリゾートなら、ぜひ体験してみたい!
すぐにスケジュールを確保し、飛行機のチケットを手配した。
![「ニヒ・スンバ」までは、ナム・エアでバリ島から1時間。初めての航空会社だったけれど、意外と快適。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/-/img_ed1de68209698615d3591cc8fad5fd1f214289.jpg)
バリ島のデンパサールで国内線に乗り換え、スンバ島のタンボラカ空港まで約1時間。
エアチケットも購入し、ヴィラも予約し、ひと安心……ということろで、プチ事件勃発。
予約したガルーダ・インドネシア航空のバリ島発スンバ島行きのフライトが、この日にかぎってキャンセルになると、「ニヒ・スンバ」から連絡がきたのだ。
![米国の旅行雑誌「トラベル&レジャー」では、2016年から2年連続で「世界一のホテル」に選ばれている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/5/-/img_15aa9e7b8e20cca8c89cee9f3d293e78210171.jpg)
旅の予定は1日もずらせないから、同日にあるほかの航空会社の国内線を予約しなおすしかない。
慌てたけれど、ガルーダ・インドネシア航空よりいち早く「ニヒ・スンバ」から欠航の情報をもらえたおかげで、即、代わりの便をおさえることができた。
2019.04.16(火)
文・撮影=芹澤和美