麺が見えないほど牛肉がたっぷり!

 マラッカで食べた「タンカ・ビーフヌードル(Tangkak Beef Noodle)」。

牛バラ肉、ハチノス、ミノなど牛肉三昧! 麺はビーフンを選択。チリオイルに漬け込んだにんにくチップが味のアクセントになっていた。

 マレーシアに住んでいた頃、取材で立ち寄ったマラッカ。地元の人が大絶賛するスープ麺店があると聞いて食べたのが、このビーフヌードルでした。麺が運ばれてきて、びっくり。ステーキ肉のような分厚い牛肉が麺を覆っている! 食べてみると すっと嚙みきれるやわらかさで、これまたびっくり。お肉を特製チリソースにつけてほお張れば、またとんでもなくうまいんです!

マラッカの名店「タンカ・ビーフヌードル(現地語でSUP LEMBU TANGKAK)」。タンカとは、マレー半島南部にあるジョホール州の都市の名前。この町こそが、ビーフヌードルの聖地ともいわれる場所。

 じつはマレーシアで、このようなおいしい牛肉料理を味わえるのは非常に稀。牛肉は高級食材ですし、宗教上の理由で牛肉を食べないマレーシア人も多いのです。そのため、地元の屋台料理に牛肉が使われることはめったに無く、スーパーで買った牛肉がゴムみたいに硬かったという経験も多々……。そういう背景もあって、このビーフヌードルの存在は衝撃的でした。

 マラッカの味が忘れられず、とうとうジョホール州タンカにある本店にも行ってみました。これもうまい~。

ジョホール州タンカの「SUP LEMBU TANGKAK」。高菜の酸味が、肉の甘みを適度にさっぱりさせている。ちなみに、麺はタレであえた汁無しの「ドライ」も選べるが、おすすめはやっぱりスープ。

2015.11.13(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子