暗闇の中に光るワニの目を探して……

目の前にはアマゾン川! 朝が待ち遠しくて、夜明けとともに目が覚めた。

 夜明けとともに目が覚めた。前日は、「夜明けがこんなに待ち遠しいなんて!」と思いながら眠りについたから目覚めも早い。朝食を済ませると、さっそく4隻の小型ボートに分乗して川へと繰り出す。毎日、朝と夕方の2回、エクスカーションがあるが、そのほとんどはボートに座っているだけというスタイル。ゲストにはリタイアした年配の方も多かった。4人のネイチャーガイドは毎日ボートを替える。全てのガイドの話を聞くことができるというわけだ。

ネイチャーガイドが、木の上にいるナマケモノや、サル、鳥などを見つけて教えてくれる。
ピンクイルカ! なかなかタイミングが難しく、少し手ブレしたもののかろうじて顔をだしたところを撮影できた。

 初日に出会ったのは、ピンクのイルカ! アマゾンカワイルカというアマゾン川の固有種で、くちばしが長く、淡いピンク色をしている。1頭や2頭ではなく、ボートの右にも左にも現れて息継ぎをするのだ。こんなに近くに、簡単に見ることができることにびっくりした。

場所によっては、川の水が植物から溶け出したタンニンで茶褐色に染まっていて、鏡のように木々やボートが映り込む。
ボートの音が気になったのか、ゆっくりと振り向いたナマケモノ。1日約20時間は眠っているのだという。

 移動中には、沿岸の木々で、何度もナマケモノを見かけた。丸くなってじっとしていることが多かったが、ときどきのそのそと動いて私たちを楽しませてくれた。何かを見つけたとき、ネイチャーガイドは、ボートの上の全員が見ることができるまで、ていねいに場所を説明してくれる。「あの大きな2本の木の間、斜めの枝の左のほう……」といった具合だ。

ネイチャーガイドのローランドがピラニアを釣り上げた! 「笑って!」とお願いしたら、「僕、それともピラニア?」と聞くので、「両方!」と(笑)。ピラニアは笑ってくれただろうか?

 水草が水面を覆う浅瀬で楽しんだピラニア釣りは、肉のかけらを針につけて糸を垂らす。アタリはあるものの、すぐに餌を取られてしまう。1時間ほどの間に、私たちのボートでは、シカゴから来たゲストとネイチャーガイドの2人が釣り上げることに成功した。歯を見せてもらうと、ほんとうに大きくて鋭い!

ワニを手にするオーストラリア人ゲスト。船の上は興奮の渦!

 暗くなってきたところで、今度はワニを探すことに。大きなサーチライトを付けてあたりを照らしながらボートを進めていく。ライトでワニの目が光るのだという。私たちのボートはなかなか見つからない。

 そろそろ諦めて帰ろうかとしたときに、近くにいたボートから歓声が上がった。ワニだ! さっそく近くに行って見せてもらう。「アナタも持ってみる?」と勧められたが、小さくてもワニはワニ。背中を撫でさせてもらって満足したのだった。子供だったので、まだ柔らかく、蛇のような感触だった。

2015.06.12(金)
文・撮影=たかせ藍沙