タランチュラにもピラニアにも負けずに生還!

アマゾン川をスイスイと進む「アリア・アマゾン」。白いテントのある部分はデッキのラウンジ。ジャグジーもある。

 毎日がエキサイティングなアマゾン川クルーズだが、前述の通り、エクスカーションのほとんどはボートに座っているだけ。そんな中、2時間ほどジャングルの中を歩くエクスカーションがあった。ジャングルの中といっても、遊歩道のようになっていて、急な斜面には階段も手すりもあった。それでも、年配のゲストの中には船に残った方も。参加するかどうかは自由なので、それぞれのペースで楽しむことができる。ぬかるみがあるとのことで全員に長靴を貸し出してくれた。

左:この日は朝早くにボートで出かけ、水草で水面が覆われた草原のような場所での朝食。エンジンを止めると、エコーがかかっているような鳥の鳴き声など、ジャングルの様々な音が聞こえてくる。
右:ジャングルウォークのハイライトの大木。ここでは記念撮影を楽しんだ。

 この日は、「アリア・アマゾン」のネイチャーガイド、リコのほかに、地元の男の子がアシスト。リコが説明をしている間に、ブッシュの中から爪の大きさほどのカエルを見つけてきたりしてくれる。

 中でもびっくりしたのは、大きな葉に載せたタランチュラ! ゲスト全員が、一瞬で一歩下がった(笑)。思ったよりも大きくて、体毛がフサフサしている。「危なくないの?」と聞くと、「遊んでみる?」と、冗談なのか本気なのかよく分からない返答。「遊びたい」というゲストはいなかった(笑)。

左:タランチュラは思ったよりも大きかった! 写真を撮っている間にジャンプしてこないかビクビクしてしまった(笑)。
右:ジャングルウォークの後、船に戻る前にちょっとしたお土産を買うことができた。ピアスに付いている赤い実は、ペルーでは幸運を呼ぶと言われている。

 そして、数あるエクスカーションの中でも、素晴らしい経験となったのがアマゾン川でのスイミング。「ピラニアは大丈夫なの?」と思うかもしれない。私も思った。なぜなら、この日、近くの浅瀬でピラニア釣りをしたばかりだったから。ガイドに「大丈夫」と言われても、まずは他のゲストが水に入るのを見届けてから(笑)、おそるおそる泳いでみた。

エクスカーションのひとつ。アマゾンの伝統的なカヌーでの水上散歩。
アマゾン川でスイミング! 写真は、私ではなく(笑)、女性ふたりで乗船していたイギリス人ゲスト。

 このあたりの川の水は、植物から溶け出したタンニンで、透明感のある茶褐色をしていて、「黒い川」と呼ばれている。色だけは熟成したワインの中で泳いでいる感覚。何より、アマゾン川で泳いでいるという事実に感動したのだった。ボートに上がると、海と違ってベタつかないし、ポリフェノールの美肌効果か、肌がしっとりした。泳いだだけで美肌だなんて、アマゾン川、恐るべし!

2015.06.12(金)
文・撮影=たかせ藍沙