ファーストクラスで世界一周だなんて手の届かぬ高嶺の花かと思いきや、実はちょっとの工夫でリーズナブルに実現することができるんです。アマゾン川、マチュピチュ、ウユニ塩湖、ナミブ砂漠、南アフリカ、オーストラリア、香港、インドネシア……。トラベルライターのたかせ藍沙さんが体験したとっておきの旅を、ここに公開!
ファーストクラスは決して高嶺の花じゃない!
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ファーストクラス。とてつもなく高価な空の上のスイートルームだ。いったいどんな人が乗っているのだろうと思っても、ラウンジから優先搭乗し、優先降機で荷物を待つこともない彼らの姿はなかなか見ることができなかったりする。私自身、雲の上の存在のように感じていた。でも「一度は乗ってみたい!」と思っていた。
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ところが、ファーストクラスには格安航空券がない。なにか良い手段がないかと調べたところ……、あった! 世界一周航空券だ。これは、「スターアライアンス」や「ワンワールド」、「スカイチーム」といった、航空会社のアライアンスが設定している航空券で、西回りか東回りのどちらかで、太平洋と大西洋を1回ずつ横断し、16区間以内という条件の航空券のこと。
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驚いたのはその運賃。ファーストクラスでのパリ往復は250万円なのに、世界一周航空券は90万円台で買うことができる! 半額以下だ! しかも16区間飛ぶことができるので、単純計算で1フライト62,500円となる。実際にはファーストクラスがないフライトもあるので、16区間すべて使ったとしても半分程度はビジネスクラスになってしまう。
とはいえ、8回のファーストクラスに乗って100万円と考えたら格安だ。さらに、帰国後は貯まったマイレージでもう1回旅行に行けてしまうし、一気にマイルを獲得することで得られる特典は数多い。
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旅行期間は、最短で10日間程度(発行会社によっては12日間)、最長は1年間と決められている。1年以内であれば、途中、別の航空券を利用して一時帰国して、何回かに分けて使うこともできるのだ。ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始に分けて旅を続けることができる。間を空ければ、旅の最初で獲得したマイレージを使った特典航空券で一時帰国することもできるのだ。
ということで、この世界一周航空券を使ってファーストクラスに乗ることにした。運賃は飛行距離、大陸数によって変わる。今回は南米に強い、JALが加盟しているワンワールドを選択した。各アライアンスとも、専用のウェブページで地図上の目的地をクリックしてフライトを選択していくだけで、簡単にルートを組むことができる。16区間を超えたり、ルール外のルートを入力しようとしたりするとエラーとなるので簡単だ。予防接種やビザ、現地手配などの準備をバタバタと済ませ、旅立った。最初の目的地は南米のペルーだ。
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成田空港ではいささか緊張した。初めてのレッドカーペットだったから(笑)。JALファーストクラスのチェックインカウンター前には、赤いじゅうたんが敷かれているのだ。ズラリと並ぶカウンターの前には誰も待っていないので、スイスイと手続きが進む。カウンター前に並ぶイスはル・コルビュジエ。高級感たっぷりだ。チェックインが終わると、手荷物検査も専用のレーンへ。ここでも並ぶことはない。あっという間にファーストクラスラウンジに着いた。
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航空会社のラウンジはアッパークラスを使った旅の楽しみのひとつ。JALのファーストクラスラウンジには、ビジネスコーナー、マッサージルームやマッサージチェア、シャワー、靴磨きサービスまであり、施設もサービスもかなりの充実度。また、人気のJALオリジナルビーフカレーのほか、目の前で寿司職人の方が握ってくれる握り寿司、メゾンカイザーの焼きたてパンなどがずらり。出発ギリギリまで仕事をしていたのでマッサージは逃したけれど、ここでファーストクラス気分が一気に盛り上がったことは言うまでもない。
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2015.06.05(金)
文・撮影=たかせ藍沙