深い眠りに誘ってくれる至福の寝具

食後の時間はハーブティーと、パリのジャン=ポール・エヴァンのマカロン。

 食事が終わると、CAさんがベッドメイキングをしてくれる。冒頭でお伝えしたように、8席のシートに搭乗客は4人のみ。なんと、それぞれ窓側の席はそのままに、通路を挟んだ中央側の席をベッドにしてくれた。好きなときに休むことができるし、起きたらすぐに隣のシートに座ることができるというわけだ。

 その際、フルフラットにしたシートの上に敷くマットの硬さの好みをきかれた。JALのマットと枕は、スカイスイート特別仕様の「エアウィーヴ」。マットは裏と表で硬さが違うのだ。硬いほうをお願いした。比較的欧米人はやわらかいマットを、日本人は硬いマットを好むという。

まるでベッドルーム! いつでも休めるよう、早めに隣の席のシートでベッドメイキングをしてくれた。

 着替えを済ませ、そろそろ休もうかと思っていたらCAさんがやってきた。ちょうどアラスカ上空にさしかかった頃だ。「今、オーロラが見えております」と。エコノミークラスなら機内アナウンスになるか、消灯後なので知らされないかもしれない。でもファーストクラスでは、ゲストの目線の高さになるように膝を付き、丁寧に知らせてくれる。

空の上で眺めるオーロラは、光のカーテンを下からではなく横から望む。地上では見ることができない平面的な姿だ。

 窓の外に目をやると、地平線の上にうっすらとグリーンの光が見えた。少しずつ形を変え、光が強くなったり弱くなったり。上空から眺めるオーロラは、光のカーテンを横から見ることになる。CAさんによると、いつもよりよく見えたとのこと。淡いグリーンのカーテンが揺らめく姿に、うれしい寝不足となった。オーロラは1時間ほど光を放っていた。

消灯時間になると、エコノミークラスのギャレー脇にはスナック類や飲み物などが置かれているが、ファーストクラスではCAさんが飾り付けたマカロンだけ。手元のコントローラーでいつでもオーダーができるので、あれこれ置く必要がないのだ。
爽やかな笑顔は朝食のもうひとつのご馳走!

 翌朝、爽やかな笑顔とともに朝食が運ばれて来た。前日にアラカルトメニューの中から選んでおいたのだ。ファーストクラスでは、好きなときにアラカルトで食事をオーダーすることができる。私は、夜はしっかり休みたかったので夜食は取らなかった。

レストランで食事しているかのような、広々としたテーブル。
マグカップは、ファーストクラスのロゴが入ったユニバーサルデザイン。伝統的な手桶をイメージし、取っ手には手に沿って馴染むカーブが付いている。

 朝食に選んだのは、オニオングラタン風スープとオマール海老のライ麦カンパーニュサンド。それにサラダを足してもらった。コーヒーは、ユニバーサルデザインのオリジナルマグカップで。メニューには、ほかに酒のお供の焼き鶏盛り合わせや鮭ルイベ、醤油ラーメンや山菜うどん、キーマカレーなどもあった。

 上質の寝具で深く眠ることができ、朝から美食でスッキリ! 着替えを済ませると気持ちも引き締まる。ファーストクラスでのフライトは、機内だけでなく、降りてからの時間に大きく影響していることを実感したのだった。

2015.06.05(金)
文・撮影=たかせ藍沙