クアラルンプールまでは往復22,000円だが……

価格の安さが魅力のエアアジアX。セール時にはクアラルンプールまで片道1万円強のことも。

 先日、エアアジアXのセール運賃でマレーシアのランカウイ島に行ってきました。羽田からクアラルンプールまで往復で総額わずか22,000円。金曜の夜に仕事を終えてから羽田に向かい、リゾートに1泊し、日曜の夜には羽田に戻ってきました。このような超短期旅行でとにかく大事なのは体力を温存すること。リゾートに行くのに行き帰りで疲弊してはたまりません。とはいうものの羽田からクアラルンプールまでは7時間30分かかるうえに夜行便なのです。

 そこで、今回は片道約2,600円を追加することで、往復ともに横並びの3席を1人で独占して、横になれる権利があたえられるサービスを受けました。この知られざる裏ワザを紹介したいと思います。

 サービスの名はエンプティ・シート・オプション。略して「ESo」とよびます。このサービスを行っているのはエアアジアXではなく、オプションタウン(Optiontown)というインド系の企業です。航空会社にとって空席は利潤ゼロを意味するので、なんとか座席を埋めようとします。しかし、当日どうしても空席が出てしまうこともあります。

今回アサインされた座席。さすがに足を伸ばすわけにはいかないが、体を横にして眠るだけで身体への負担はかなり軽減される。

 そこでオプションタウンは、この空席を「売る」ことを考えたのです。3席まるまる空いている場合、1人のお客さんに残りの2席の権利を買わせることで、空席から利益を生み出すビジネスモデルを構築したのです。客からみれば、2,600円という比較的手ごろな価格で3席を確保すれば、足は伸ばせないまでも、横になることができ、疲労はかなり軽減されます。

 現在、オプションタウンがESoのサービスを行っているのは、日本発の航空会社ではエアアジアX(羽田~クアラルンプール、関西~クアラルンプール)とベトナム航空(成田~ホーチミンシティ、羽田~ハノイ、成田~ハノイ、成田~ダナン)のみ。

 なお、オプションタウンはビジネスクラスへの有料アップグレードも行っています。ベトナム航空の日本~ベトナム間のビジネスクラスへのアップグレードは片道3万円程度のことが多いようです。ベトナム航空は2016年から、成田~ホーチミンシティ、成田~ハノイ線にボーイング社の最新鋭機B787-9を投入しています。この機材はビジネスクラスが完全なフルフラットシートとなっており、アップグレードするには狙い目です。

エアアジアX
URL http://www.airasia.com/

ベトナム航空
URL https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/

Optiontown(オプションタウン)
URL https://www.optiontown.com/

2016.03.14(月)
文・撮影=橋賀秀紀