#077 Langkawi Island
ランカウイ島(マレーシア)

緑に包まれた穏やかな入江は名もない花のよう

静けさに満ちたリゾートホテルが多いのは、ランカウイ島の北側。こちらはアンダマン・ラグジュアリー・コレクションのスパからの眺め。

 マレーシアのビーチについて、どんなイメージを持っています?

 アジアの他のメジャービーチはそれぞれ押しも強く個性を放っていますが、マレーシア、特にマレー半島の島々は、実に奥ゆかしい。たとえばランカウイ島の緑に包まれた穏やかな入江は、森の中でひっそり咲く名もない花のように、ただ美しくそこにある感じがします。

ジャングルとビーチが出会う地に位置するザ・ダタイ。

 そんな隠れ家感が漂うランカウイ群島は、マレー半島の西側、アンダマン海に浮かんでいます。99の島々からなり、そのうち人が住んでいる2島のなかで大きい方がランカウイ島です。

  “第2のペナン”というキャッチフレーズのもと、ランカウイ島の開発がスタートしたのは1980年代後半のこと。ただし無闇やたらな計画ではなく、島全体の35%までという条件付き。早くから環境に対して意識が高く、そのため豊かな自然がたっぷりと残されています。

森の精気に包まれた、ザ・ダタイのスパ。

 2007年にはユネスコが地質学的に貴重な地域へ与える “世界ジオパーク”に、ランカウイ島は登録されました。いくつかのジオパークがあり、その総称をジオフォレストパークと呼んでいます。

2016.01.09(土)
文・撮影=古関千恵子