#35 Mataking Island & Pom Pom Island
マタキン島&ポンポン島(マレーシア)

島と島を結ぶ白砂の道をモーゼ気分で歩む

鏡のように穏やかな海に入道雲が映る。マタキン島の午後。

第25回でピピ島をかわいいネーミングと書きましたが、今回は「ん?」と一瞬耳を疑うちょっと変わった名前のマタキン島とポンポン島についてご紹介を。

島から少し泳げば急に深くなる地形はスノーケリングに格好。(C)ザ・リーフ・ダイブ・リゾート

 この2つの島はマレーシアのボルネオ島の北東沖、“ノーザン・シパダン”とも呼ばれる海域にあります。7つの島々からなり、そのうち宿泊施設をもつのがこの2島。今では宿泊NGなシパダン島(マタキン島を経由が条件)や、ボハイドゥロン島やマンタブアン島などの国立公園への拠点になっています。

 海の青色の移ろいが美しく、穏やかな海面には入道雲がくっきりと映り、水平線には島々がぽつん、ぽつん。島好きにはたまらない風景が広がっています。

 この2つの島の名前には地元の言葉で、日本語で想像するのとは異なる意味があります。

マタキン島の桟橋の付け根にあるレストラン&バー。ゲストの集いの場。

 マタキン島(Mataking。末尾の“g”は微かな音なので、日本語耳には聞き取りづらいのです)は、“王様の目”。ちょうど2つの目のように、2つの島が寄り添うように浮かび、干潮になると、白砂の道でつながります。

マタキン島の隣にあるマタキン・クチル島は、干潮時に白砂の道で結ばれます。

 別名“モーゼ・ウォーク”とも呼ばれる、この白砂の道を渡ると、波が打ち寄せるちゃぷちゃぷという穏やかな音にサラウンドで包まれます。浅瀬には海底の砂紋が透けて見え、表層の白砂にはヤドカリの巣穴を見つけたり。自然の中にぽつりといる自分が感じられます。

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2014.12.06(土)
文・撮影=古関千恵子