亀の赤ちゃんが砂浜を歩く様子のいじらしいこと!

産卵中に失礼しまーす。このおかあさんは甲羅のサイズが縦85センチ、横44センチ。

 この2つの島では4~11月まで海ガメの生命のドラマに出会えるチャンスが大!

 10月に訪れたマタキン島でのこと。夜、島の北側へスタッフと共に行くと、ビーチ近くの木々の合間に巨大なアオウミガメのおかあさんを発見! スタッフのあてるライトの先で、母ガメがヒレを動かしながら、まるで「うーん、うーん」と産卵のために力んでいるよう。1時間ほどかけて産卵を終え、無事海に戻っていきました。

夕暮れに海へとリリースされたカメの赤ちゃん。

 今回産み落とされた卵は66個。スタッフの手で丁寧に掘り起こされ、孵化場へと移動。産卵の日付けごとに分けられ、網で囲った砂場に埋めて誕生の日を待ちます。孵化場でふと横に置かれたバケツを見ると、ハッチアウトしたばかりの子ガメたちが。小さなヒレをパタパタと懸命に動かして、上へ上へと登ろうともがく姿のたくましいこと! 翌日の夕方、海へとリリースするのだと聞き、立ち会うことにしました。

 バケツから砂浜に放たれた子供たちは、誰に教わったというわけでもないのに、波打ち際に向かって一斉に歩き出し、波にのって海へ。木の葉のように水面に揺れながらも泳ぐ姿のいじらしいこと!

 産卵とリリース、まるで海ガメ体験のフルコース!?

マタキン島に船が到着すると、迎えてくれるスタッフ。いかにも急あつらえな格好ながら、ウェルカムな気持ちが伝わってきます

 マタキンとポンポン。行くのは難儀ですけれど、惹かれるネーミングと海ガメに会いに訪れてみては?

マタキン島&ポンポン島
●アクセス コタキナバルから国内線でタワウ空港へ。車でセンポルナの波止場へ約60~80分。その後ボートで約60分。
●おすすめステイ先(マタキン島) ザ・リーフ・ダイブ・リゾート
URL http://www.mataking.com/
●おすすめステイ先(ポンポン島) ポンポンアイランド・リゾート&スパ
URL http://www.pompomisland.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.12.06(土)
文・撮影=古関千恵子