芸人界随一の動物好きを自認する令和ロマンの松井ケムリさん。相方の騒動の傍ら縦横無尽の活躍を繰り広げ、多忙を極めるケムリさんを誘って、幼い頃によく足を運んだという思い出の動物園を訪ねました。「CREA」2025年夏号より「人生に悩んだら動物園へ行こう」を全文転載します。
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単独行動を貫くトラのメンタルの強さが好き

M-1グランプリで連覇達成、さらに先の騒動で多忙な毎日を送る令和ロマン・松井ケムリさんを誘って向かったのは、よこはま動物園ズーラシア。
あいにくの雨の中、園内に入ると見えてきたのは、水浴するインドゾウ。芸人界随一の動物好きを自認する松井さんは「うわぁ、すげぇ!」と興奮しながら約1時間半、スマトラトラやボウシテナガザル、フンボルトペンギンなどをじっくりと観察した。



「雨の日の動物園もいいですね。空いているから、ゆっくりと動物が見られました。インドゾウの水浴びはジャングルクルーズを体験したような気になったし、スマトラトラも雨だからこそ濡れにくい窓の近くに長くいてくれたのかもしれない。晴れた日には見られないだろう動物の姿がたくさん見られました。ズーラシアは植物や樹も多いので、マイナスイオンを浴びたような感覚になって心が癒されましたね」

大学時代もひとりでふらっと動物園に向かうこともあったというが、どんなときにそう思い立つのだろうか。
「考えてみるとたしかに、僕も悩んだときとか疲れたときに動物園へ行こうと思うのかもしれない。今日気づいたことですけど、動物を見ると海外へ行ったような気持ちになれるというか。特に、日本にいない動物たちの野生での暮らしを想像すると、世界は広いんだと実感できるんです」
2025.07.05(土)
文=高本亜紀
写真=松本輝一
CREA 2025年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。