ダイニングが充実は嬉しいし、とても重要

左:レセプションフロアの7階から見下ろした「カフェ・カーディナル」。空間が広いので気にならないが、こちらもかなりグラマラスな内装。
右:ビュッフェスタイルの朝食だけで満足できるが、卵料理はやはりつくりたてを注文。出来上がりまで、さほど待つことなく至極満足。

 さて、ホテルのレセプションは7階。専用エレベーターにて上がり、チェックインする。6階からの吹き抜けとなる空間は、見晴らしもよく開放的。ちなみに6階には「カフェ・カーディナル」があり、早朝から深夜までいつでも食事ができるので、ビジネスマンにもありがたい。朝食はとりどりのビュッフェ形式だが、もちろんオーダーにも応えてくれて“オ客サマノゴ要望ハ何デモ”かなえてくれる。

「カフェ・カーディナル」の前に広がるプール。なんと水中スピーカーでモーツァルトが流れていたのにはビックリです。

 部屋に案内されるときに感心したのは、スタッフが自分の名前を名乗ること。もちろんネームプレートは着けているけれど「私の名前はグエンです。本日はようこそ。お部屋にご案内します~」というのはなかなか新鮮。親しさを演出するために、ゲストの名前を呼ぶことはままあるが、これはちょっと意外な展開だった。

 27~39階の客室フロアに上がる前に、ほかのダイニングも紹介しておこう。

広東料理の「ザ・ロイヤル・パビリオン」はいまや人気レストラン。こちらもホテル同様のイタリアン家具を基調にしたグラマラスなインテリアになっている。
左:シェフのスペシャリティのひとつ、タロイモのタワー。細く刻んだタロイモをカラッと揚げた味は、間違いなくビールが飲みたくなる。地元のサイゴンビールがぴったり。
右:スモークしたホタテとアワビの逸品は、プレゼンテーションもさすが今風。テイスティでありました。

 まず要チェックなのが中華の「ザ・ロイヤル・パビリオン」。ミシュランのスターシェフがチームを率いて腕をふるっており、その味はいまやホーチミンセレブの間でも人気が高い。で、このレストランがビルの4階にある。もちろんホテルからも行けるが、ホテルを通らずに直接レストランに入れる仕様。コンプレックスビルならではの便利なつくりだ。

イタリアンの「R&J」。ここでちょっとおかしかったのは、ホテル同様スタッフが自分の名前を名乗り、次に客の名前を尋ねること。予約していない客の名前は分からないから、そういう流れになるのだろうけど、ちょっとウフフな応対だった。ただ気遣いもそうとうなもので、少し賑やかなグループ客がいると、「席を替えるか」「だいじょうぶか」とこちらよりもヤキモキしてくれる。

 次にイタリアンの「R&J」は地階にある。ここは完全に独立していて、ビルから一度外に出ないと入れない。ちょっと不便さを感じるものの、ここのイタリアンもなかなかの美味。シェフ以下イタリア人チームがナポリから来ていて、イタリアン愛に満ちた料理を提供してくれる。ひとつ突っ込みどころとしては、店名が北イタリアのヴェローナを舞台にする『ロミオとジュリエット』から取った「R&J」だが、シェフは南イタリアかいっ! なのだが、おいしければヨシだ。

「ザ・ロング@タイムズ・スクエア」には本格ピザ窯があり、さすが本場ナポリのシェフがチェックしているだけあって、かなり高得点のピザが食べられる。

 この地階のイタリアンに下りるスペースには、「ザ・ロング@タイムズ・スクエア」というカフェがあり、ピザなどの軽食とアルコールも楽しめる。食事を軽く済ませたいときにはたいへん便利。

2015.05.26(火)
文=大沢さつき
撮影=杉山拓也、大沢さつき