妖精が宿る土地に誕生した
世界有数(!?)の観光スポット

「ホーチミン市の有名な観光名所はすでに行きつくした。ベトナム料理もだいたい制覇してしまった」――今回は、そんなとことんベトナム好きのあなたへ、次の旅行でぜひ試して欲しいウラ名所をご紹介します。

周囲をカラフルな魚や龍に囲まれたスイミングプール。プールを見下ろす岩山には、フン王のご尊顔がかたどられている。

 ホーチミン市の中心部から車で約40分。ハノイへと続く国道1号線を北東方向へ走ると、右手に灰色をした大きな岩山と天高くそびえ立つ2本の牙が見えてきます。それがホーチミン市最大の遊園地「スイティエンテーマパーク」です。

スイティエンテーマパークのエントランスゲート。

 実はこの遊園地、世界各地の観光情報を紹介するランキングサイト『ザ・トラベラーズ・ゾーン』で“最も人気のあるテーマパーク12”にランクインしたり、佐藤健寿氏の写真集『奇界遺産』の表紙を飾ったりと、まさに知る人ぞ知るカルト的名所として人気を集めてきました。

 ベトナムの遊園地としては比較的古く、オープンは1995年。遊園地がある場所はもともと湿地帯で、ベトナム戦争中にはゲリラの拠点が置かれていたそうです。また、林中の泉には妖精が宿るといわれ、神聖な土地として現地の人々から敬われる場所でもありました。

ウォータースライダーもこの遊園地にかかれば、この豪華さ。
左:広大なワニ園では無数のワニがひなたぼっこ。
右:ローラーコースターなどの絶叫マシンも。

 そんな土地を開拓して作られたこの遊園地、総面積100ヘクタール以上とかなりの広さ。園内には観覧車やコースター、ゴーカートの定番アトラクションはもちろん、屋外スイミングプール、4Dシアター、イルカショー、動物園、ワニ園、ゲームセンターなどなど、あらゆるアミューズメント施設がこれでもかと詰め込まれています。しかも、そこかしこに巨大なオブジェが林立、その摩訶不思議な空間は、ほかとは一線を画した存在感にあふれています。

広い園内の移動には電動カートが便利。

文・撮影=杉田憲昭