宮部みゆきのベストセラーを2部作で映画化した『ソロモンの偽証』で、重要なキーパーソンとなる神原役に抜擢された板垣瑞生。どこかミステリアスな風貌が特徴的な、注目の美少年の素顔に迫る。

『ハリー・ポッター』に憧れ、事務所に

――1歳から水泳を習い、5歳からはサッカークラブに入られていたそうですね。

 水泳は自分がやりたくて泳いでいたというより、習慣みたいなものでしたね。「なぜ、自分がスイミングスクールに通っているか」ということに対して疑問も持ちませんでしたし、性格的に誰かと競うという本能的な意識もなく、8年間、大会を目指そうという気持ちもありませんでした。サッカーは父親が好きだったこともあり、幼稚園から始めて、小学生になってからクラブチームに入りました。小学校の部活もサッカー部だったのですが、今も中学ではサッカー部に入っています。

――10年近くサッカーをやっているということで、サッカー選手になりたいという夢は?

 まったくなかったですね(笑)。それはリアルじゃないなって……。10歳のときに、母親と渋谷で買い物をして帰る途中、ハチ公前で今の事務所の人にスカウトされたんです。その前も何度かスカウトされたことはあったのですが、今よりずっとシャイな性格だったので、「絶対にやりたくない」って言っていました。でも、その頃は『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフさんに憧れていて、「僕も何かやってみたい」と、どこかで自意識が目覚め始めていたのだと思います。

――事務所に入って、その後にEBiDAN(恵比寿学園男子部)に所属しますよね。

 事務所に入って、まず演技レッスンがあったんですが、女のコたちと一緒だったので、とても恥ずかしかったですね。その後にEBiDANに入るオーディションがあって、受かったんですけど、そのときは「なんで受かったんだろう?」と思いました。とにかく今も自分に自信がなくて、ネガティヴな性格なんで、事務所に呼ばれるたびに「クビになっちゃうかも?」とビクビクしているんです。

2015.03.06(金)
文=くれい響
撮影=杉山拓也