海老入りの海鮮バクテー、肉無しの素バクテー

 ここからは“変わり種”バクテーです。扱っているお店が少ないので、なかなか旅先では出会えないかもしれませんが、こんなバクテーもあるのです。

 クアラルンプールから車で約1時間半、タンジョンセパッという港町で食べられている「海鮮バクテー」。大ぶりの海老がゴロゴロ入っていて、とっても贅沢。

海老のうま味がスープにたっぷりしみ出していて、漢方スープといい感じに融合している。写真では見えないが、海老と湯葉の下に、豚肉もたっぷり入っている。(写真提供:杉さん)

 次は「チクテー」です。豚肉ではなく、鶏肉を使っており、マレー系のための屋台や、ハラル料理を扱うホテルで提供しています。豚肉よりも脂分が少ないため、さっぱりした味です。

漢字で「鶏骨茶」と書いて「チクテー」と読む。日本でも、ハラル対応のマレーシア料理店ではこのチクテーを提供。(写真提供:ウシゾーさん)

 そして「ベジバク」。お肉無しのベジタリアンのバクテーです。ここまでくると果たしてバクテーなのか? という疑問もわきますが、バクテー好きのマレーシア人にとっては大事。仏教徒はお肉を食べられない日があるので、そんな日にはこれ。

豆腐、揚げ、椎茸でバクテーを再現。コクはあんまりなく、おいしいスープ料理だそう。(写真提供:鈴木祥一さん)

 さて、いよいよシンガポールのバクテーの登場です。マレーシアとシンガポールのバクテーの違いは、ずばりスープの色。まずは写真をご覧ください。

2015.02.19(木)
文=古川 音
写真=古川 音、三浦菜穂子