「多様性」を「可能性」に。未来を動かす力を創る ~ NICT ダイバーシティ推進活動~
【国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)】
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、情報通信分野を専門とする日本で唯一の公的研究機関です。情報通信技術の研究開発を基礎から応用まで統合的な視点で推進するとともに、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関などと連携しながら、研究開発成果を広く社会へ還元し、イノベーションの創出を目指しています。

NICTでは2023年度に、優秀な人材の確保、イノベーションの創出、国際競争力の向上を目的に、ダイバーシティ推進室が発足しました。全国の拠点やさまざまな部門から多様な属性や年齢層の職員が集まり、誰もが安心して働ける職場環境や制度の構築を進めています。
また、女性だけでなく外国籍や障がいのある方の雇用・参画・活躍の促進、異なる文化を背景に持つ人々や、進化を続けるAI技術との共生に向けた環境整備も重要なテーマの一つです。職員向けのイベントや研修、意識調査の実施、休養室等の設備の見直しや、他機関との情報交換や連携、ダイバーシティ推進活動の外部発信、次世代のSTEM人材の育成など、多方面からダイバーシティの推進に取り組んでいます。
COMMENT:多様性が拓く研究の未来。一人ひとりが活躍する職場へ

研究の現場に多様性を取り入れることは、イノベーションの創出や国際競争力の向上につながると、私たちは信じています。その想いから、2024年度の採用より、女性を対象とした公募をスタートしました。研究職・研究技術職における女性の採用比率は、公募導入後も高い水準を維持しています。また、NICTでは研究職に加えて、事務系職員も専門性を活かし、研究をさまざまな面から支えています。こうした多様な力が結集し、組織全体の力となっています。私たちは、一人ひとりがその力を発揮し、いきいきと働ける環境づくりを、これからも大切にしていきます。

研究開発分野における課題の一つに、理工系の女性研究者が非常に少ないという現状があります。こうした背景を踏まえ、私たちはダイバーシティ推進の一環として、 次世代のSTEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)人材育成に力を注いでいます。
女子高校生を対象に、理系分野への関心を高めるキャリアトークイベントを開催し、女性研究者のリアルな声を届けることで、理系進路や研究職のキャリアをより身近に感じてもらえるよう取り組んでいます。
また、高校生が行う研究発表に対して研究者とディスカッションをする場を設け、システムの改良や運用・管理、セキュリティといった実践的な課題について学ぶ機会を提供しています。こうした活動を通じて、多様な人材が科学技術分野で活躍できる未来の実現を目指しています。
【多様な働き方への取り組み(一例)】
- ・裁量労働制度
- ・フレックスタイム制度
- ・時差出勤制度
- ・テレワーク制度(日数上限なし、自宅以外からも可)
- ・選択的週休3日制(フレックスタイム制適用者)
- ・サテライトオフィス(日本橋に専用オフィス開設)
- ・職員のウェルビーイングのための瞑想室設置
- ※制度については職種や業務等により利用できない場合があります
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) ダイバーシティ推進室
本部 東京都小金井市貫井北町4-2-1
事業内容 研究開発、情報通信研究開発基金事業、オープンイノベーション創出に向けた取組、研究支援・事業振興業務、機構法に基づく業務
電話番号 042-327-7429(代)
https://www2.nict.go.jp/diversity

2025.09.05(金)
企画・制作=株式会社 産案
CREA 2025年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。