●レオナルド・ディカプリオの魅力
興奮してしまったついでに、レオナルド・ディカプリオについて語りたい。彼のなにがすごいって、そもそも名前がスゴイ。本名なのだろうか。調べて見ると、本名はレオナルド・ウィルヘルム・ディカプリオ……!! もはや大昔の皇帝の名ではないか。
「ディカプリオ」は世界に何人いるのだろう。小学校の時代からクラスに3、4人はいた「田中」の私とはえらい違いである。
名前だけではない。ルックスも素晴らしい。あんなに童顔で素直そうでかわいい顔なのに、なぜか非合法で成り上がる役が世界一似合う不思議。しかも大成功を収めたあとにしっかりツケが回ってくるパターンが多く、栄光からボロボロになっていく流れを見守る至福。ああ、見るもの誰をもドSに変える天真爛漫なスマイルの持ち主、それがディカプーリオ!! 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」なんて最高である。
彼は日本のアニメやマンガが大好きで、特に好きな映画が「千と千尋の神隠し」というのも、これまた萌えポイントである。
「釜爺リスペクトだよ……」
とか言う姿を想像するだけで癒される――。
●「タイタニック」のジャックから、ポスト「ジャック・ニコルソン」へ
繊細な少年から、年を重ねるごとにだんだん熊さんのようになり、現在は、見た目は普通だが実はヤバい人も見事演じるレオ様。この変化も私好みである。マーティン・スコセッシ監督による「シャッターアイランド」やクリストファー・ノーラン監督の「インセプション」ではメンタルが迷子の主人公を見事演じきり、「シャッターアイランド」は私が人生で見た鬱映画ベスト5に入る「カッコーの巣の上で」を思い出してしまった。爽やかの極みみたいなジャックを演じたレオ様が、ジャックはジャックでも、ジャック・ニコルソン寄りになるとは想像もしていなかった。
そのジャック・ニコルソンと共演した2006年公開の映画「ディパーテッド」では、ネタバレで失礼するが、エレベーターの扉が開いた瞬間頭を撃たれて倒れ、彼の身体を挟んでガッコンガッコンと扉が開閉を続ける、というシーンがある。これ、なんと「太陽にほえろ!」のラガー刑事(渡辺徹)と同じ死に方! ショッキングであると同時に、アラフィフにとっては最高にエモくもあり、思わず飲んでいた缶ビールを画面前に差し出し、レオ様と渡辺徹さんに乾杯したのを覚えている。
2024.04.25(木)
文=田中 稲