ある日Amazonプライムビデオのオススメをスクロールし、髪が逆立った。うぉお!! 「タイタニック」が絶賛無料配信中である!
サブスクリプションというシステムに手を合わせたい。何度見てもいいものはいい。こんな膨大な情報量の映画がかつてあっただろうか。カテゴリー分けが非常に難しい。あえて言えば青春アドベンチャーアクション歴史パニックサスペンスラブロマンス。一度見ただけでは、多分このうちの1割くらいしか堪能できない。そのため、何度も見たくなるという、非常に卑怯なつくりの映画である。
今回の配信、希望と不安が半々の不安定なこの季節、せめてロマンチックを満喫してね、というAmazonからのニクい心遣いとみた。ならば思う存分浸らせてもらおう――。
●初っ端から聞こえてくる「My Heart Will Go On」で号泣
再生ボタンを押すと、20世紀FOX(※現:20世紀スタジオ)お約束の、ダンダン! ダンダン! ダラララ! という行進曲みたいな音楽が鳴るが、本編が始まると、打って変わって静かになり
フーゥーゥーウウウウーウー……♪
イカン! ど初っ端から聞こえてくる「My Heart Will Go On」のハミングはあまりにも破壊力がすごい。いきなり涙がドーッ! 始まって1秒でティッシュに手が伸びる。
改めて恐ろしい曲である。映画が公開されていた1997年から1998年、映画のサントラはもちろん、セリーヌ・ディオンの歌も爆発的ヒットとなった。
「にー! ふぁー! ゆーうぇーああああゆああーー!(Near, far, wherever you are)」
というサビは当時死ぬほど聞いたなあ……。「My Heart Will Go On」の陶酔感は譲り合いの精神を忘れさせるようで、カラオケで歌自慢たちがこぞって歌い、全国セリーヌ・ディオンだらけだった。私も恥ずかしながら挑戦したことがある。表現力と発声が全く追い付かず、ターザンの雄叫びと言われたが、それはそれでいい想い出である。この歌も「タイタニック」の世界を盛り上げた素晴らしい一つの要因であることは間違いない。
2024.04.25(木)
文=田中 稲