●常に共演者との距離感を近くした最新作での役作り
――放送後は、これまでと違う周囲の反響・反応だったと思います。
すごかったです! 作品だけでなく、地上波のドラマの影響力のすごさを感じました。分かりやすくいえばSNSですが、ファースト写真集の発売イベントをしたときも「『下剋上球児』を見て、会いに来ました」という方がたくさん来てくださったので、有難かったですね。
スタッフのみなさんがこだわって作られた作品だから、それだけ多くの人に届いたとも思いますし、そういう作品に関わることができて光栄でした。
ただ、三重弁は大変でした。あと、身体を鍛えようと思っても、知廣は野球が最初はヘタな設定なので、変にゴツい身体だと変じゃないですか。
そこで、ケガをしない身体作りとインナーマッスルだけを鍛えていく地味なトレーニングをしながら、知廣が速い球を投げられるようになる後半の展開に備えました。
――最新主演映画『18歳のおとなたち』では、映画制作を始める新成人を迎えるマコトを演じています。
18歳の役ではありましたけど、坊主にした後の撮影で、ちょっと幼く見えるし、割と年齢の心配はなかったですし、役作りに関してはあまりしませんでした。変に悩まず、その場で感じたものをパーッと出せれば、マコトになれると思っていましたから。
ただ、マコトは何でもガツガツ言えるし、初対面の人に肩を組めるようなタイプなので、常に共演者との距離感は近くありたいなと思っていました。あと、撮影がタイトななか、セリフ量が膨大だったのは大変でしたね。
――「リュウソウジャー」や「下剋上球児」で知ったファンの方に向けて、どんな新しい兵頭さんが観られる作品になったと思いますか?
これまで、何回かやんちゃな役はやってきましたけれど、根っから明るいマコトみたいな役は、意外とやったことがないと思うんですよ。その明るさで、いろんな人を巻き込んでいったりするので、これまで見たことのない僕が見られると思います。
映画自体も、観る人の価値観によって変わってくると思いますし、自分の家族のことを考えるきっかけになればな、と。ミニシアターで上映される映画も好きですが、今回は初めて大きい映画館でも上映されるので、より多くのみなさんに観てもらえると思うんです。だから、ちょっとドキドキしています(笑)。
2024.02.23(金)
文=くれい 響
撮影=末永裕樹
ヘアメイク=木内真奈美
スタイリスト=Shinya Tokita