日曜劇場「下剋上球児」の根室役で注目されている兵頭功海。実際に高校球児だった彼が俳優を目指すきっかけから、「騎士竜戦隊リュウソウジャー」での思い出、さらに最新主演映画『18歳のおとなたち』で魅せる新たな一面などを熱く語ってくれました。
●母親の一言で上京を決意
――幼い頃から野球をやられていた兵頭さんですが、いつから、なにがきっかけで?
小学2年生のときからです。きっかけは、憧れていた幼馴染が野球をやっていたので、自分もやりたくなったんです。だから、幼い頃の夢は野球選手でしたし、本当にプロを目指して、甲子園に行きたくて、野球をしていました。
でも、小・中の卒業アルバムには、「将来はTVに出る人になる」と書いていたんです。野球選手として、TVに出たかったですし、その頃は俳優や歌手、タレントというような区別がついていなかったので、そういうカッコいい人としてもTVに出たかったと思います。
――その後、投手として活躍し、高校3年のときは福岡県大会の予選決勝まで行かれました。なぜ、野球の道を諦める決断をされたのでしょうか?
最後の予選の決勝ではまともに投げられないまま、1点差で負けてしまったんです。そのとき、めちゃくちゃ悔しくて大泣きしたんですが、どこかであっさりと諦めることができたんです。
じつは大学のスポーツ推薦の話もあったんですが、「この先、プロや社会人野球の道を進んだとしても、昔のように野球に対する情熱がないかもしれないし、自分は本当に何がしたいんだ?」と迷っていたんです。
そんなときに昔、芸能活動していた母が「もし、芸能界に入りたいなら、竹下通りを歩いて、スカウトされてきたら?」みたいなことを言ってくれて。その日から野球の話を全部断って、卒業後に上京することを決めました。
――実際に原宿・竹下通りを歩かれたのですか?
はい。ただ、いろいろ調べていくうちに、活躍されている方の多くは、街中でスカウトされるよりも、いろいろなコンテストでグランプリを獲った方が多いことに気付いたんです。
それで得体の知れない、根拠のない自信を持ったまま(笑)、副賞として映画出演が約束された第1回「NEW CINEMA PROJECT」というコンテストに応募しました。
小さい頃に、よく家族で映画を観ていたことを思い出し、どこかで映画に出る側=俳優さんになりたいという思いが強くなっていたのが大きいですね。それで「出演者」部門のグランプリを獲って、今の事務所(アミューズ)に入ることになりました。
2024.02.23(金)
文=くれい 響
撮影=末永裕樹
ヘアメイク=木内真奈美
スタイリスト=Shinya Tokita