●人に優しくなれたムロツヨシとの出会い
――そんな兵頭さんにとって、転機となった作品は?
高校野球の投手役だったWOWOWドラマ「ドラフトキング」です。この作品でお世話になったスタッフさんの繋がりで、「CODE-願いの代償-」に出演することができました。
また、「ドラフトキング」での芝居を『下剋上球児』の演出の塚原(あゆ子)さんが見てくださっていたんです。それがオーディションの合否に関係したかは分かりませんが、どこかで繋がっていると思うんですよ。
とにかく、「ドラフトキング」からお仕事の流れが変わったと思っていますし、主演のムロツヨシさんに会えたことも大きいです。プライベートでも可愛がっていただいているのですが、ムロさんのように誰に対しても優しい人になりたいと思いました。
実際、友だちからも「“かつ”、なんか優しくなったね」と言われるようになったんです(笑)。
――豊田裕大さん、大倉空人さんらと共演され、22年に公開された『レッドブリッジ』シリーズの現場はいかがでしたか?
僕が演じた龍一は、ヘビースモーカーの役だったので、1日に吸うタバコの量が半端なくて大変でした。1日で1箱ペースだったんですが、撮影中も本当にクルマを運転していたので、その状態でナチュラルにセリフを喋るのも大変でした。
ただ、現場はとても楽しかったですし、今でも連絡は取っていますし、「みんな、こんな仕事をしているんだ」と活躍している姿に注目してしまうんですよ。本当に、いい仲間と出会えた作品だったと思います。
――23年放送のドラマ「下剋上球児」では1年生から3年生までの投手・根室知廣役を演じ、さらなる注目を浴びました。オーディションの思い出は?
元プロ野球選手の川﨑宗則選手も来てくださった練習会が数日間あった後に、オーディション当日は芝居のほかに、50メートル走を測ったり、球のスピード測ったり、ノックを受けたり、バッティングをするセレクションがありました。そして、合格した後には、密着番組の収録も兼ねてみんなで合宿に行って、野球の練習をしながらバーベキューしたり、スイカ割りをしたりしてチームの結束力を高めていきました。
2024.02.23(金)
文=くれい 響
撮影=末永裕樹
ヘアメイク=木内真奈美
スタイリスト=Shinya Tokita