遠山さんが選んだお弁当 BEST3
<おいしそうだったお弁当>
太田恵梨さんの【日常の中のクリスマス弁当】
日本ではクリスマスは仕事という人も多いので、コンビニ弁当にも入っているような日常的なメニューをクリスマス仕様にしたお弁当。揚げものの代わりのホットサンドには、ローストしたチキン、ハニーマスタード、チーズを入れて。焼き鮭の代わりに、サーモンのリエットとクラッカー。卵焼きには、アンチョビとチーズのクリームを塗って、ブッシュドノエル風にした。梅干しごはんの代わりには、米粉とてんさい糖のブランマンジェに、梅干しの赤ワインコンポートをのせて、ミントの葉をひいらぎ風に飾った。
<印象的だったお弁当>
東條恵美さんの【クリスマスリース押し寿司弁当】
子どものころの和食のクリスマスを思いだして、つくったお弁当。生ハムやドライトマト、オリーブなどのイタリアンな素材を使って、大葉とみょうがを加えて押し寿司に。その上にエンダイブやサラダ菜やトマト、モッツァレラチーズを飾って、クリスマスリース風に仕上げた。
<「日本のクリスマス」なお弁当>
金塚雄太さんの【クリスマスイブのあとのクリスマス弁当】
日本人にとってのクリスマスは、クリスマスイブのこと。恋人や家族と過ごした次の日のクリスマスは少し寂しい一日になる。そこで、イブのパーティーで騒いだあとに食べたくなるお弁当ということで、胃に優しい大根の薄切りで包んだお寿司にした。パーティーで残るだろう食材、生ハム・鯛のロースト・大葉でクリスマスカラーを表現しそれを寿司にして、大根で包み、仕上げに金の塩を振りかけた。
【遠山さんのコメント】
太田さんのお弁当は、独特な存在感があった。一瞬では理解できない。サイズがおかしい。立体感がおかしい。安定しているのに不思議な構成。何か、アートピースを見ているような、コンテクストに支えられた作品に見えた。しかも、オイシそうという感性とリンクしてくる。それがまた不思議である。実際にブランマンジェが美味しかった。
東條さんの【クリスマスリース押し寿司弁当】は、一目見て、Dean&Delucaで売ってそう、と思った。しかも、それが寿司なのだからオリジナリティある。まさに印象的。
金塚さんのお弁当は、あの薄く透けた大根が、日本のクリスマス、という言葉とリンクした。大奥を障子越しに感じるような、クリスマスでありながら正月を感じるような。日本の美意識をうまく現した。
2013.12.21(土)